白菊遺族会

白菊遺族会の概要

白菊遺族会（しらぎくいぞくかい）は、第二次世界大戦後、日本が降伏した際に連合国によって戦犯とされ、刑死または病没した方々の遺族によって構成される支援団体です。この会は、1954年（昭和29年）に設立され、設立当初の目的は、刑死者の慰霊とその遺族の生活支援でした。

名称の由来

会の名称は、戦犯遺族に篤志家から贈られた白菊観音像に由来しています。この観音像は、戦犯として命を落とした方々の遺族に対する慰めの象徴ともなっています。

初代と二代目の代表

白菊遺族会の初代代表には、山下奉文の妻である山下久子氏が就任しました。彼女は、遺族の生活保障や精神的な支えを行うため、その活動に尽力しました。その後、木村兵太郎の妻である木村可縫氏が二代目の代表として引き継ぎました。このように、会は遺族に寄り添い、彼らを支援するための様々な取り組みを続けてきました。

解散の経緯

しかし、1993年（平成5年）には会員の高齢化が進み、活動の継続が難しくなったため、白菊遺族会は解散を決定しました。この解散は、長年の活動による遺族支援の努力が一区切りついたことを意味しています。

白菊観音とその役割

白菊観音は、三代目中村勝五郎の依頼により、彫刻家の横江嘉純によって製作されたもので、立ち姿のブロンズ像です。1949年（昭和24年）には、巣鴨プリズンで刑死したA級戦犯の遺族に対して、花山信勝を通じて初めて贈られました。その後、BC級戦犯の遺族にも贈られることとなり、最終的には約10年間で2500体が全国の遺族に送られました。これらの像は、その後、戦犯の記憶をとどめ、遺族に希望を与える重要なシンボルとなりました。

七光会の設立

また、白菊遺族会の参加者の中には、特にA級戦犯の妻たちによる「七光会」という別の団体も存在しました。この会は、1948年（昭和23年）12月23日に処刑されたA級戦犯７人の妻たちによって結成されました。彼女たちは、白菊遺族会と共に法要を行い、遺族同士の交流を深めることを目的としました。

脚注や参考文献

白菊遺族会にまつわる資料として、伊藤隆著の『「戦犯者」を救え 笹川良一と東京裁判〈2〉』や、佐藤早苗の『東條勝子の生涯 'A級戦犯'の妻として』があります。これらの著作には、戦犯者やその家族の苦悩について深く掘り下げられた記録が含まれています。
そのほか、関連団体として「白蓮社」や、日本遺族会が管理する「九段会館」などが挙げられます。これらの組織もまた、戦争の影響を受けた人々の生活改善に向けたさまざまな支援活動を行っています。

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