白華

白華現象：建物の表面に現れる白い結晶とその対策

建物のコンクリートや木材の表面に、白い粉状または結晶状の物質が浮き出てくる現象を「白華（はっか）」といいます。これは、英語でエフロレッセンス（efflorescence）と呼ばれ、見た目は美しくありませんが、構造物の強度には影響を与えません。主成分は炭酸カルシウムであり、人体への悪影響もありません。しかし、建物の美観を損ねるため、適切な対策が必要となります。

コンクリートにおける白華現象

コンクリートの白華は、コンクリート内部の可溶性成分（主に遊離石灰）が、水分によって溶解し、表面に移動して析出することで発生します。空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムとなり、白い結晶を形成します。

白華の発生原因

白華の発生には、以下の要因が考えられます。

コンクリートの配合: 水セメント比が高いと、遊離石灰が多くなり白華が発生しやすくなります。また、使用する骨材の種類や量も影響します。
環境条件: 気温、湿度、日照条件など、周囲の環境も白華の発生に影響を与えます。特に、乾燥と湿潤が繰り返される環境では発生しやすい傾向があります。南側の外壁など、太陽光を多く受ける場所では発生しやすいです。また、冬季の方が夏季よりも進行しやすいという特徴も持っています。
水の浸入: コンクリート内部に水が浸入することで、可溶性成分が溶解し、表面に移動しやすくなります。ひび割れなどを通して水が浸入する二次白華も存在します。
酸性雨: 酸性雨も白華の原因の一つとして挙げられますが、他の要因との関連性も複雑であり、単独で原因と断定することは困難です。

白華の対策

白華は、コンクリートの表面のごく浅い部分で発生する現象であり、構造強度への影響はほとんどありません。対策としては、以下の方法が有効です。

一次白華対策: 水セメント比の適切な管理、ポゾラン材料の添加などにより、遊離石灰の量を減らすことで抑制できます。
二次白華対策: 防水処理を行うことで、水の浸入を防ぎます。
洗浄: 小規模な白華であれば、研磨や酸性洗剤（塩酸を含むもの）を使用して除去できます。大規模な場合は、専用の洗浄剤（例：「スーパーエフロクリーン」、「レックス」など）を使用します。
予防処置: コンクリートの表面を事前に炭酸化させることで、緻密化と物質遮断性を高め、遊離石灰の染み出しを防ぐことができます。CO2を含む水蒸気での養生、SiO2が多くCaOが少ないセメントの使用などが有効です。

木材における白華現象

木材の場合、白華は、木材に注入された難燃剤や不燃剤が表面に染み出す現象を指します。特に、雨にさらされる外壁などで発生しやすく、雨で薬剤が洗い流されることで、防火性能が低下する可能性があります。

木材における白華の対策

木材の白華に対しては、白華を抑える塗料の開発など、効果的な対策が研究されています。

まとめ

白華現象は、コンクリートや木材の表面に発生する白い結晶の析出であり、構造強度や人体への影響は少ないです。しかし、美観を損ねるため、適切な対策が必要です。発生原因を理解し、適切な対策を行うことで、建物の美観を保ち、安全性を維持することができます。

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