白萩郵便局

白萩郵便局の歴史

白萩郵便局（しらはぎゆうびんきょく）は、富山県中新川郡上市町折戸に位置した無集配特定郵便局です。その歴史は1916年12月1日に遡ります。当時、白萩村は小黒部鉱山への玄関口であり、交通手段が限られていたため、鉱山の経営者の要請を受けて郵便局が設立されました。この請願は、通信施設の整備を促進するための大正4年勅令第215号に基づいたものですが、富山県内で初めて同令に基づく郵便局の設立となりました。

設立当初、周辺は小黒部鉱山の発展に伴い新たな道路が整備され、ダイナマイトの爆音が響く活気のある場所でした。しかし、1918年秋に鉱山は休山となり、1944年6月の再開まで長期間閉山状態が続きました。この影響は郵便局にも及び、1919年3月6日に廃止されることとなりました。廃止の背景には、鉱山の事務所が複数の小屋で構成されながらも人々が去ってしまったことがあります。

郵便取扱所としての復活

その後、白萩郵便局は1929年に郵便取扱所として復活しました。この取扱所は、発展が遅れている地域の簡易な窓口として開設され、白萩村内の民家を局舎として利用しました。1940年には三等郵便局に昇格し、1941年には特定郵便局に変更されました。また、1942年には新しい木造平屋瓦葺の局舎が建設され、1946年には電話通話や電報の受付業務も始まりました。

人口減少と郵便局の廃止

しかし、1954年5月には白萩村が上市町に編入され、その地域特有の農業環境が影響を及ぼしました。「湶田」と呼ばれる水田の耕作は、大変な労力を要し、収益性が低いものでした。このため、地域住民は出稼ぎに出ることが多く、それが地域の経済構造に大きな影響を与えました。

昭和30年代からは特に人口の減少が顕著になり、中学校を卒業した子供たちが職を求めて地元を離れる現象が起こりました。共同体の崩壊や炭焼きの衰退も絡まり、白萩の人々は次第に村を去っていきました。これにより、1975年5月1日には白萩郵便局が廃止され、その機能は上市郵便局が引き継ぐこととなりました。

さらに、同日には新たに白萩簡易郵便局が設立されましたが、1988年にはこの簡易郵便局も廃止され、業務は再び上市郵便局に戻されました。

年表

• - 1916年（大正5年）12月1日: 白萩郵便局を開設。
• - 1919年（大正8年）3月6日: 郵便局廃止。
• - 1929年（昭和4年）4月21日: 白萩郵便取扱所を開設。
• - 1940年（昭和15年）12月1日: 三等郵便局に昇格。
• - 1941年（昭和16年）2月1日: 特定郵便局に昇格。
• - 1942年（昭和17年）6月10日: 新しい局舎を移転。
• - 1946年（昭和21年）12月1日: 電話通話事務・電報受付事務を開始。
• - 1975年（昭和50年）5月1日: 白萩郵便局廃止、新しい簡易郵便局設立。
• - 1988年（昭和63年）11月1日: 白萩簡易郵便局廃止。

白萩郵便局の歴史は、地域の開発とともに変遷を辿ったものであり、人口の減少とともにその役割を終えることとなりました。

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