白雪姫 (1937年の映画)

『白雪姫』（1937年）: アニメーション映画史に残る金字塔

『白雪姫』（原題: Snow White and the Seven Dwarfs）は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが制作し、1937年に公開されたアメリカの長編アニメーション映画です。グリム[[童話]]の『白雪姫』を原作としており、世界初の長編アニメーション映画として、映画史にその名を刻んでいます。

制作の背景

当時、アニメーション映画は短編が主流であり、長編アニメーション映画の制作は大きな挑戦でした。ウォルト・ディズニーは、およそ4年の歳月と140万ドル以上の巨額の費用を投じ、25万枚にも及ぶ作画枚数を費やし、スタジオの存続をかけた一大プロジェクトとして本作を制作しました。周囲からは成功を危ぶむ声も多く聞かれましたが、ウォルトは自身の夢を信じ、制作を推し進めました。

あらすじ

美しい王女である白雪姫は、その美貌を妬む継母の女王に命を狙われます。狩人に森へ連れ込まれ殺されそうになりますが、狩人は白雪姫を逃がし、女王には動物の心臓を捧げてごまかします。白雪姫は森の中で7人の小人たちと出会い、彼らと共に暮らすことになります。しかし、女王は老婆に変身し、毒リンゴを使って白雪姫を眠らせてしまいます。絶望する小人たちでしたが、そこへ通りかかった王子が白雪姫にキスをすると、白雪姫は目を覚まし、王子と共に幸せな生活を送るのでした。

主要キャラクター

白雪姫: 心優しい美しい王女。継母である女王に命を狙われ、森で小人たちと出会う。
女王: 白雪姫の美しさを妬む継母。魔法の鏡に世界で一番美しいのは誰かと問いかける。
王子: 白雪姫に一目惚れし、眠りから覚ます。
7人の小人: 森に住む、個性豊かな小人たち。白雪姫を助け、温かく迎え入れる。

先生（Doc）: 小人たちのリーダー。
おこりんぼ（Grumpy）: ぶっきらぼうだが、根は優しい。
ごきげん（Happy）: いつも笑顔で陽気。
ねぼすけ（Sleepy）: いつも眠そうにしている。
てれすけ（Bashful）: 恥ずかしがり屋。
くしゃみ（Sneezy）: くしゃみをすると、周囲のものが吹き飛ぶ。
* おとぼけ（Dopey）: 一言も話さない、愛らしい小人。

作品の評価と影響

『白雪姫』は、公開されると世界中で大ヒットを記録し、批評家からも絶賛されました。その革新的なアニメーション技術、魅力的なキャラクター、そして心温まる物語は、多くの人々に感動を与えました。第11回アカデミー賞では、ウォルト・ディズニーが名誉賞を受賞し、7人の小人をイメージしたミニチュアのオスカー像が贈られました。

本作は、アニメーション映画の可能性を大きく広げ、後のアニメーション作品に多大な影響を与えました。また、白雪姫はディズニープリンセスの代表的なキャラクターとなり、世界中の子供たちに愛されています。1989年には、アメリカ国立フィルム登録簿に登録され、文化的な遺産としての価値も認められました。

日本での公開と影響

日本での公開は1950年と、本国アメリカより遅れての公開となりました。戦時中にこれ程までに質の高いアニメーションが制作されていたという事実に、多くの若者が驚愕したと言われています。

また、本作は日本の漫画家やアニメーターにも大きな影響を与えました。手塚治虫は、本作を50回以上鑑賞し、その作風に大きな影響を受けたと語っています。藤子不二雄も、ウォルト・ディズニーにファンレターを送ったエピソードが残っています。

まとめ

『白雪姫』は、アニメーション映画史における金字塔であり、時代を超えて愛される不朽の名作です。その美しい映像、魅力的なキャラクター、そして心温まる物語は、今もなお世界中の人々に感動を与え続けています。ウォルト・ディズニーの夢と情熱が込められたこの作品は、これからもアニメーション映画の歴史に輝き続けることでしょう。

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