白須敏朗

白須敏朗について

白須敏朗（しらす としろう）氏は、1951年（昭和26年）に生まれた日本の農林官僚です。彼は、そのキャリアの中で、水産庁長官、農林水産事務次官といった要職を歴任しました。現在は、一般社団法人大日本水産会の会長を務めています。

キャリアのハイライト

白須氏は、2007年に発覚した農業共済組合の補助金不正受給問題を受け、当時の農林水産事務次官が辞任したことをきっかけに、水産庁長官から農林水産事務次官に昇格しました。

2008年には、三笠フーズによる事故米流通事件が発生しました。この事件に関して、農林水産省は、東京農政事務所への告発から90回以上もの立ち入り調査を行ったにもかかわらず、事件を防げなかったとして、大きな批判を浴びました。白須氏は、事務次官として会見に臨み、弁明を行いましたが、その内容がマスコミなどからさらに批判される結果となりました。この責任を取り、太田誠一農林水産大臣とともに辞任しました。

生い立ち

白須氏は、広島県三原市の離島である佐木島出身です。都会の学校を経て東京大学に進学しており、その後のキャリア形成に大きな影響を与えました。

略歴

東京都港区立城南中学校（現・六本木中学校）卒業
1969年（昭和44年）：東京都立日比谷高等学校卒業
1974年（昭和49年）：東京大学法学部第1類（私法コース）卒業。農林省（現・農林水産省）入省
1981年（昭和56年）9月：農林水産省食品流通局総務課長補佐（総務班担当）
1982年（昭和57年）8月：農林水産省大臣官房企画室企画官
1983年（昭和58年）8月：農林水産省畜産局牛乳乳製品課長補佐（総括及総務班担当）
1985年（昭和60年）9月：埼玉県農林部農政課長
1990年（平成2年）：農林水産大臣秘書官
1993年（平成5年）：農林水産省食品流通局商業課長、農林水産省食品流通局砂糖類課長
1997年（平成9年）1月8日：農林水産省経済局金融課長
1998年（平成10年）7月3日：農林水産大臣官房総務課長
1999年（平成11年）8月1日：農林水産大臣官房秘書課長
2001年（平成13年）1月6日：水産庁漁政部長
2003年（平成15年）7月1日：農林水産省生産局長
2005年（平成17年）7月19日：農林水産省大臣官房長
2006年（平成18年）8月1日：水産庁長官
2007年（平成19年）9月7日：農林水産事務次官
2008年（平成20年）9月19日：同退任
2009年（平成21年）9月1日：社団法人「大日本水産会」会長就任が決定
2022年（令和4年）4月29日：瑞宝重光章受章

白須氏の功績と課題

白須敏朗氏は、長年にわたり日本の農林水産行政に貢献してきました。特に水産庁長官、農林水産事務次官としての経験は、日本の食料安全保障において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。しかし、三笠フーズ事件のような問題への対応は、行政の課題を浮き彫りにし、今後の教訓として活かされるべきでしょう。

現在、大日本水産会の会長として、水産業界の発展に尽力している白須氏の今後の活躍が期待されます。

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