白馬童子

『白馬童子』: 時代劇の名作

『白馬童子』（はくばどうじ）は、1960年にNET（現・テレビ朝日）系列で放映された、人気のテレビ時代劇です。この作品は、浪人である葵太郎が、白装束をまとい、愛馬「流れ星」に乗って悪を退治する姿を描いています。本作の原作は巌竜司、監督は仲木睦、主演は山城新伍が務めました。最初の放送は1960年1月5日から始まり、9月20日まで続きました。

あらすじ

物語の主人公である葵太郎は、時の将軍の落胤である浪人です。事件が発生するたびに白馬童子となって悪人たちと戦います。彼は名刀・日輪丸を使い、得意の「電光二刀流」という技を駆使して、江戸を目指して東へ旅を続けます。物語の舞台は、長崎から江戸までの道のりに広がり、視聴者にスリリングな冒険を提供します。

テレビ版の特徴

本作は全38回放送され、視聴者からの高い支持を得て高視聴率を記録しました。放送の前期には、長崎を舞台にした『南蛮寺の決斗』を含む全9話が制作され、後期も続けて人気のエピソードが展開されました。また、番組のスポンサーには、三洋電機や永谷園が名を連ね、主演の山城新伍が生CMに出演することもありました。1960年1月26日に30%の視聴率をマークしたことが、その人気を物語っています。

戦う白馬童子

葵太郎は、毎回異なる悪党と対峙しながら成長していきます。彼の活躍は、視聴者を引き込む要素が満載で、特に「電光二刀流」のアクションシーンは多くのファンを魅了しました。加えて、最後のエンディングでは、スーツ姿の山城が他の出演者と共に視聴者へ向けて感謝の挨拶をする場面がありました。これにより、視聴者との距離感が縮まるような温かい瞬間を作り出しています。

キャストとスタッフ

主なキャストには、主人公の葵太郎／白馬童子を演じた山城新伍のほか、春海洋子（夕香里）、神木眞壽雄（小助）、山本順大（忠助）などが名を連ねています。スタッフは、原作が巌竜司であり、脚本には村松道平や高田宏治が参加しています。特に、照明や撮影の技術も高く評判でした。

劇場版とコミカライズ

『白馬童子』は、テレビ版の人気に応じて劇場版も制作されました。最初の劇場版は1960年3月29日に公開され、続いて4月12日には完結篇も公開されました。さらに、テレビドラマ放送と同時期には、2誌で漫画版が連載され、これも多くのファンを獲得しました。

映像作品

そして、2016年にはデジタルリマスター版のDVD-BOXが発売され、作品の再評価が進んでいます。これには劇場版2作やテレビ版の一部エピソードが収録されており、当時の懐かしさと共に楽しむことができます。『白馬童子』は、1960年代の日本のテレビ時代劇の中でも特に記憶に残る作品の一つとして、今なお多くのファンに愛され続けています。

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