白鬚神社 (可児市土田)

白鬚神社（しらひげじんじゃ）

白鬚神社は、岐阜県可児市土田に鎮座する神社で、地元では土田白鬚神社とも呼ばれています。この神社は、天慶3年（940年）に平貞盛によって創建されたと伝えられています。

創建の由来

伝承によれば、平貞盛が平将門の討伐に向かう途中、近江国（現在の滋賀県）の白鬚大明神に戦勝を祈願しました。その際、夢の中に白鬚大明神が現れ、「汝の甲の鉢に形を隠し守護する。美濃国（現在の岐阜県南部）の木曽川のほとり、大炊土の里に良い場所があるのでそこへ向かいなさい」という神託を受けました。

貞盛は、神託に従い大炊土の里（現在の可児市土田下切）にたどり着き、宮所を探していたところ、白猿が現れ、宮野（現在の可児市土田大脇）の地に案内し、姿を消しました。貞盛は、この地が神の導きによる場所だと悟り、住人に白鬚神社の造営を命じ、自らは将門討伐のため常陸国（現在の茨城県）へ向かいました。その後、連戦連勝で将門を討伐し、帰路に大炊土の里に立ち寄り、完成した白鬚神社に参拝したと伝えられています。

現在地への移転

永禄13年（1570年）、土田城の城主であった生駒氏が、城の鬼門鎮護のために白鬚神社を現在の場所に移転しました。

祭神

白鬚神社には、以下の神々が祀られています。

猿田彦大神（さるたひこのおおかみ）
天照皇大神（あまてらすおおみかみ）
建速素戔嗚尊（たけはやすさのおのみこと）
伊弉諾命（いざなぎのみこと）
建御名方神（たけみなかたのかみ）
天御陰命（あめのみかげのみこと）

また、境内には以下の摂社・末社があります。

大炊戸天満宮
津島神社
左近神社
秋葉神社
蛭子神社
金刀比羅神社

主な祭事

白鬚神社では、年間を通して様々な祭事が執り行われています。主な祭事は以下の通りです。

例大祭（流鏑馬祭り）

毎年4月5日（現在は4月第1日曜日）に行われる例大祭は、「神輿渡御」と「流鏑馬」で構成されます。流鏑馬は、平貞盛が戦勝を祈願したことに始まると伝えられていますが、永禄13年（1570年）に土田城主の生駒道寿が神社を現在地に移転した際に、大祭を行い、自ら乗馬して家臣を連れて流鏑馬を奉納したことが始まりとも言われています。神社の参道を舞台に、馬上から弓矢で的を射る勇壮な神事です。この流鏑馬は、1984年（昭和59年）12月12日に可児市の重要無形民俗文化財に指定されました。

輪くぐり祭り（茅の輪祭）

毎年7月31日には、夏越の大祓として「輪くぐり祭り」が執り行われます。拝殿の前に設置された高さ約2mの茅の輪を、左、右、正面と3回くぐり、半年間の罪や穢れを祓い、無病息災を祈ります。

お鍬祭り

毎年3月11日には、五穀豊穣を祈願する「お鍬祭り」が行われます。本殿での神事では、稲穂と榊を結びつけたミニチュアの鍬、オネリ（赤飯を丸く握ったもの）、御神酒などを神前に供え、豊作を祈願します。拝殿前では、鍬おろし、田おこし、田かき、シロスリ、種播き、田植え、ささら太鼓、鳥追いなど、農耕の様子を模倣した神事が執り行われます。祭礼が終わると、氏子はオネリとミニチュアの鍬を持ち帰り、家の神棚に供えます。

交通アクセス

名古屋鉄道広見線可児川駅下車、徒歩約15分。

外部リンク

白鬚神社 - 岐阜県神社庁

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