白鶴梁

白鶴梁（はっかくりょう）の魅力

白鶴梁は、中国の重慶市涪陵区に位置する、長江の南岸にある天然の石梁です。長さ1600メートル、幅は10メートルから25メートルにわたって屹立しており、その歴史や文化的な重要性から注目を集めています。この石梁の名前は、かつて道士が白鶴に乗って飛び去ったという伝説に由来しており、古くから地域の人々に親しまれています。

歴史的意義

白鶴梁には、165段におよぶ碑文が刻まれていることが特徴です。これらの刻文は、長江の水位を1200年以上にわたって記録しており、渇水の年には水面に現れ、洪水の際には水没するという特異な仕組みを持っています。そのため、古代中国における水位観測技術のひとつと見なされていました。ここでは、多くの歴史的な文人たちが名文を刻んでおり、総計で3万字以上の文字が残されています。このため、白鶴梁は「水下碑林」とも称されています。

さらに、668の魚の彫刻が施された場所も存在しており、古代の芸術性を感じることができます。このような文化的な価値から、白鶴梁は1980年に四川省の文物保護単位として再指定され、その後、重慶市によって管理されることとなりました。1988年には全国重点文物保護単位にも認定され、現在に至ります。

水中博物館の設立

三峡ダムの建設に伴い、白鶴梁は水深40メートル以上の水中に沈んでしまいました。これに対応するため、2001年には中国科学院の葛修潤が提案した無圧容器を用い、水中の史跡を保護するための新たな方法として、水中博物館の建設が始まりました。この博物館は、圧力の原理を活用した構造が特徴的で、観光客は川岸から水中に入る通路を通って白鶴梁の碑文を鑑賞することができます。

2009年5月18日には、白鶴梁水中博物館が正式に開館し、千年にわたる水文調査の施設として多くの訪問者を迎えました。その後、2011年には改装工事が行われ、2012年3月に再開館しました。この博物館にアクセスするためのエスカレーターは、長さ88メートル、深さ40メートルで、アジアで最も長いトンネル式エスカレーターとしても知られています。

まとめ

白鶴梁は自然の美しさと歴史的な重みを兼ね備えた場所で、文化財としての保護も行われています。昔の人々の知恵や技術が詰まったこの遺跡は、現代でも多くの人々に感動を与え続けています。未来においても世界文化遺産として保護され、その価値が継承されることが望まれています。

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