百井盛

百井盛：教育者として、そして世界一の長寿者として

百井盛（ももい さかり）は、1903年2月5日に生まれ、2015年7月5日に112歳で亡くなった日本の教育者であり、世界最高齢の男性として知られています。彼の生涯は、教育への貢献と驚異的な長寿によって特徴づけられます。

生い立ちと教育者としてのキャリア

福島県相馬郡石神村（現在の南相馬市）で生まれた百井は、福島師範学校を卒業後、東京帝国大学農学部で農芸化学を学びました。1927年に大学を卒業後、彼は教育の道へ進み、咸鏡北道公立新義州高等普通学校で化学教師として教鞭を執りました。

戦後は、福島県立塙高等学校（現在の福島県立塙工業高等学校）の初代校長や、埼玉県立与野高等学校の校長を歴任し、教育者として多くの若者を育成しました。特に、東白川農業高校塙分校の主事時代には、廃校の危機にあった分校を存続させるために奔走し、関係各所への働きかけを通じて新設校としての存続を実現させました。

長寿の記録

2011年9月には、埼玉県内で最高齢の男性となり、2013年7月23日には、国内最高齢の男性となりました。2014年8月20日には、ギネス世界記録によって存命中の男性として世界最高齢であることが認定され、その長寿が世界的に認められました。

百井は、90歳頃まで喫煙していたにもかかわらず、驚くべき長寿を保ちました。彼は、刺し身や煮魚を好み、読書を趣味としており、特に「四書五経」などの中国古典に精通していました。また、書道も得意とし、98歳までは駅の階段を上り下りするなど、毎日体を動かすことを心掛けていました。

晩年と死

晩年は、東京都内の病院で療養生活を送っていました。2001年に妻を亡くし、6人の子供のうち3人が彼よりも先に亡くなりました。身の回りの世話は、当時66歳だった三男が行っていました。

2015年7月5日、百井盛は慢性腎不全のため112歳で亡くなりました。彼の死後、国内および世界最高齢の男性は、愛知県名古屋市の小出保太郎となりました。

百井盛の生涯は、教育者としての貢献と、驚異的な長寿によって、多くの人々に感銘を与えました。彼の長寿は、日本の長寿研究においても貴重な事例として注目されています。

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