百島 (広島県)

百島（ももしま）

百島は、瀬戸内海中部に位置する芸予諸島の島であり、尾道港と鞆の浦の中間に存在します。この島は、中国・四国地方のほぼ中心にあり、地理的にも重要な位置を占めています。

行政

百島は広島県尾道市百島町に属し、1955年に沼隈郡百島村が尾道市に編入されたことにより現在の形となりました。郵便番号は722-0061で、尾道郵便局の管轄下にあります。島内には旧百島支所の建物があり、これは1954年にかつての百島村の村役場として建設されました。この建物は2022年に文化審議会により登録有形文化財になることが答申されました。また、2017年には百島みんなの家として知られる新しい百島支所が開設されています。

島名の由来

「百島」という名前は、元々「桃島」と呼ばれていたことが由来とされていますが、時を経て「百」という漢字が当てられるようになったとの説があります。さらに、かつては磯島と五十島という二つの島があったこととも関連しているとされ、最終的に一つの島となり「百島」となったとも考えられています。

歴史

百島の歴史は室町時代までの記録が乏しいですが、菅原道真が流刑途中に立ち寄ったという伝説が残っています。1441年には、嘉吉の乱で敗れた赤松満祐の一族がこの島に住み着き、「お弓神事」という伝統行事が今でも毎年行われています。この行事の起源は、彼らが追われて避難した際の弓の訓練に由来すると考えられています。

室町時代から安土桃山時代にかけて、村上氏が百島において城を築いたり寺を建立したりしました。江戸時代に入ると、百島の地域は藩の検地や人口調査などが行われ、農業が活発に行われていました。

明治から昭和初期にかけては、約2,127人の人口が確認され、その一部は北海道に移住しました。彼らは質朴で勤勉な性格が評価され、多くの成功者を世に出しました。また、戦後の復員などにより人口は一時的に増加しましたが、以降は過疎化が進みました。

近年ではテレビドラマや映画の撮影地としても利用され、多くの有名人が訪れています。1986年に井筒和幸監督による「犬死せしもの」をはじめとし、数多くの作品が百島で撮影されました。また、有名な「百島アミーゴマラソン」というイベントも開催されています。

交通

百島へのアクセスは、水上交通が主で、福田港から尾道港や常石港へのフェリーが運航されています。陸上交通としては百島バスが利用されています。

島の特産物

かつては百島の貝や大根が特に有名でしたが、現在ではイチゴや様々な野菜・果物が島の代表的な農産物となっています。

著名な住民

島には、「氷雨」の作詞・作曲を手掛けたとまりれんさんや、英国在住の岡崎ウォード伊佐子さんが住んでいます。

百島は自然の美しさと豊かな文化が調和した地であり、訪れる人々を魅了し続けています。

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