百式 (ガンダムシリーズ)

百式（HYAKU-SHIKI）

百式（ひゃくしき、HYAKU-SHIKI）は、1985年に放送されたアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場する、架空のモビルスーツです。この機体は、エゥーゴという反地球連邦勢力に属し、主にクワトロ・バジーナ（シャア・アズナブル）が搭乗したことで知られます。百式は、全身に施された金色の特殊塗装が目を引き、その肩には漢字の「百」のマーキングが特徴です。ここでは、百式のデザインや設定、さまざまなバリエーション機について詳しく解説します。

デザインの背景

百式のデザインは、デザイナー藤田一己によるものですが、元々は永野護のラフ画を元にしています。最初はネモを基に設計される予定でしたが、富野由悠季監督の指示で永野のラフを使用することとなり、藤田がそれをクリーンナップして現在の形になりました。永野護は百式のデザインに関して、彼の描いたものは基本となるラフ稿のみで、完成品は藤田の手によるものであると証言しています。

特に金色に塗られたボディや、「百式」という名前、その肩に描かれた漢字はすべて富野監督がスポンサーとの話し合いで決定したもので、意外にも藤田の意向とは無関係だとされています。

アニメ版『機動戦士Ζガンダム』では、百式は非常に高い運動性を誇ります。元々は可変型モビルスーツとして設計されましたが、開発過程でその機構は断念され、非可変型として完成しました。

機体の設定

百式は、エゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス（AE社）による「Ζ計画」の一環として開発されたモビルスーツです。設計段階から非可変型として設計された後、可変型への変更が試みられましたが、最終的には再び非可変型に戻されています。この際、可変機としての設計の名残を持つ脚部の特殊な構造やバインダーの配置が施されています。

内部構造においては、キャノピーに画像管理型符号化装置（IDE）を搭載しており、デュアルアイも装備しています。機動性向上を目指し、軽量化やビーム回避戦術が採用されています。そのため、百式は装甲をシールドに依存せず、機動性を活かして敵の攻撃を避ける設計となっています。

武装

百式は様々な武装を装備しており、固定武装として頭部に60mmバルカン砲を、腰部にはビームサーベルを装備しています。さらに、携行武装として、ボウワ社製のビームライフルや、リック・ディアスのクレイ・バズーカを使用します。

その中でも、特に特徴的なのはメガ・バズーカ・ランチャーです。この武装は百式の射出後にアーガマのカタパルトデッキから射出され、発射時には非常に高い破壊力を持つ一撃として使用されました。ただし、その発射に必要なエネルギーのチャージ時間が長く、大量のエネルギーを消費するため実戦では慎重に取り扱われる必要がありました。

活躍の場面

『機動戦士Ζガンダム』内では、百式は数多くの戦闘に参加し、エゥーゴの主力としてティターンズの新型機達と戦いました。特に、シャアの搭乗機として、彼の高い操縦技術によって数々の敵機を撃墜しました。特に印象的なのは、連携して戦うカミーユ・ビダンと共に、数回の戦闘を通じて得た実戦データが、後の百式改に活かされたと言われています。

『機動戦士ガンダムZZ』では、ビーチャ・オーレグが主に操縦することで再登場し、彼のロボットチームの一翼として活躍します。百式の存在感はユニコーンガンダムの前日譚においても継承され、この機体はファンの心に深く刻まれています。

バリエーション機

百式の派生形としては、「百式改」と呼ばれる強化型や、陸戦用に設計された「陸戦用百式改」など多く存在します。百式改は、軽量化と推力の強化を目的とする一方、陸戦用百式改は様々な環境に適応するために特別な設計が施されました。

このように、百式はその独自のデザイン、高い機動性、豊富な武装により、ガンダムシリーズの中でも特に人気の高い機体となっています。今後も百式に関する新たな情報や設定が追加されることが期待されています。

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