百恵白書

百恵白書

『百恵白書』は、山口百恵が1977年5月21日にCBSソニーからリリースした11枚目のスタジオアルバムです。このアルバムは、彼女にとって特別な意味を持つ作品であり、当時18歳の彼女の心情を表現したものとされています。帯コピーに記された「このアルバムは、私の分身、この中に18歳の、そう制服をぬいだわたしのすべてが入っています」という言葉は、アルバムの表現意図を強く物語っています。

本作の特徴として、収録されている全ての楽曲が宇崎竜童、阿木燿子のコンビによるものである点があります。このアルバムは、阿木自身が山口百恵の旅に同行し、彼女の経験や感情を取材した上で制作した初のコンセプトアルバムです。これにより、ただの楽曲集ではなく、彼女の人生の一部を表現した作品として位置づけられています。

さらに、このアルバムはシングル曲を一切収録せず、百恵にとってオリジナルアルバムが初めての試みでもありました。これは、ディレクター川瀬泰雄の意向によるもので、百恵をシングルヒットだけの歌手とせず、アルバムアーティストとしても認知させたいという願いが込められています。彼はビートルズのスタイルに影響を受け、シングルとアルバムは別物であるという考え方を取り入れ、作品の製作を進めました。結果として、発売された作品はトータル・アルバム的要素が強く、一貫したテーマやメッセージが感じられるものとなりました。

収録曲の中でも特に「歌い継がれてゆく歌のように」は、ライブパフォーマンスでも披露された人気の楽曲であり、百恵の引退コンサートではラストの「さよならの向う側」の前に歌われるなど、クライマックスを盛り上げる役割を果たしました。

このアルバムは後に再評価され、2003年6月4日には全オリジナルアルバム22枚を集めたCD-BOX『MOMOE PREMIUM』にリマスタリング音源として収録され、さらに2007年9月30日にはマスターサウンド仕様の『Complete [[MOMOE PREMIUM]]』がリリースされました。これにより、より多くのリスナーがこの名盤の魅力を味わうことが可能になりました。

収録曲一覧

全作詞: 阿木燿子
全作曲: 宇崎竜童

これらの作品は、それぞれに深いメッセージと感情を宿しており、聴く者に強い印象を与えます。アルバム全体を通して、山口百恵の成長と彼女の独自の視点が色濃く反映されています。このため、今なお多くのファンから愛され続けている名作といえるでしょう。

クレジット

• - ミュージシャン
• - スタッフ

リリース履歴

関連作品

• - MOMOE PREMIUM
• - 山口百恵 22 Original Albums Collection
• - Complete [[MOMOE PREMIUM]]

参考資料

• - 川瀬泰雄『プレイバック 制作ディレクター回想記』学研マーケティング, 2011年2月。ISBN 978-4054047259

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