百橋明穂

百橋明穂（どのはし あきお、1948年5月24日 - ）は、日本の著名な美術史学者であり、長年にわたり神戸大学で教鞭を執り、現在は名誉教授の称号を有しています。彼の専門は、仏教美術史、特に東アジアにおける美術交流史にあります。

略歴

富山県に生まれた百橋明穂は、1971年に東京大学文学部美学美術史学科を卒業後、1974年には同大学院の美術史修士課程を修了しました。その後、奈良国立文化財研究所に勤務し、文化財の保護・研究に携わりました。

1980年には奈良国立博物館の学芸員となり、展示や研究活動を通じて、美術への知識を深めました。1981年からは神戸大学文学部の助教授として教壇に立ち、1995年には教授に昇進しました。2013年に神戸大学を定年退任し、名誉教授となりました。

研究業績としては、2000年に「仏教美術史論」で東京大学から文学博士号を授与されています。また、国際的な活動も活発で、2005年には鄭州大学の客員教授、2009年には甘粛省博物館の客員研究員、蘭州大学の客員教授を務め、中国の美術研究にも貢献しました。

著書

百橋明穂は、数多くの著作を発表しています。主な著書には、以下のものがあります。

『仏教美術史論』中央公論美術出版 2000
『古代壁画の世界 高松塚・キトラ・法隆寺金堂』吉川弘文館 歴史文化ライブラリー 2010
『東アジア美術交流史論』中央公論美術出版 2012

これらの著作は、仏教美術史や東アジアの美術交流史における重要な研究成果として高く評価されています。

編纂

また、百橋明穂は、美術全集の編纂にも携わっています。

『世界美術大全集 東洋編 第4巻 隋・唐』中野徹と責任編集 小学館 1997
『神異僧と美術伝播』田林啓と共編 中央公論美術出版 2021

記念論文集

百橋明穂の退職を記念して、門下生や同僚の研究者たちによって以下の論文集が刊行されました。

『美術史歴参 百橋明穂先生退職記念献呈論文集』中央公論美術出版 2013



百橋明穂は、日本の美術史研究において重要な役割を果たし、その研究成果は、国内外の美術研究に大きな影響を与え続けています。

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