中央公論美術出版

株式会社中央公論美術出版の概要

株式会社中央公論美術出版（ちゅうおうこうろんびじゅつしゅっぱん）は、1956年に設立された専門的な学術出版社であり、美術や建築に関する書籍を中心に多数の出版物を手がけています。創業者は、戦前と戦後の旧中央公論社の幹部である栗本和夫氏です。当社は、現在の中央公論新社の株主であるものの、編集上の関係は北に独立して運営されています。

出版物の特徴

中央公論美術出版は、研究者の業績を集大成した著作や、著名な美術史や建築史に関する重厚な古典訳書、歴史資料集成などを特徴としています。一般的な美術書も多く刊行しており、その顧客層の大半は専門家や研究者、そして図書館です。特に、初の出版物である「池大雅画譜」を皮切りに、「浦上玉堂画譜」や、著名な浮世絵師である安藤広重や葛飾北斎の作品集、さらには日本の著名な芸術家たちの複製品や書画集があげられます。

また、当社は、芸術家自身が執筆した一次資料の収集にも注力しています。自社のホームページ内では、東京都心の代表的な美術・建築に関する専門書として「日本彫刻史基礎資料集成」や「日本建築史基礎資料集成」が挙げられています。これらは、学術的な観点から美術や建築の研究を深めるための重要な資料として位置付けられています。

重要な刊行物と功績

1990年代には、『バウハウス叢書』（全14巻別巻2）やエルヴィン・パノフスキーによる『芸術学の根本問題』を刊行しました。その他にも、アルベルティの古典訳書や、ジョルジョ・ヴァザーリの『美術家列伝』（全訳）、さらにはフランク・ロイド・ライトの自伝など、多数の原典訳本が世に出ています。また、日本[[美術]]の分野では、小松茂美が編著した『平家物語絵巻』（全12巻）や、彼の大著『平家納経 平清盛とその成立』も評価されています。他にも、多くの仏教美術研究者の著作も手掛けています。

年鑑の出版と代表取締役の変更

当社は2007年から「日本[[美術]]年鑑」の出版を国立印刷局から引き継いでおり、この年鑑は日本の美術史を記録する上で重要な役割を果たしています。2016年には、日野啓一が代表取締役社長に就任し、旧社長の小菅勉は退任し顧問として残ることになりました。さらに、取締役の石井一夫も退任し、新たな体制での展開が期待されています。

本社所在地

当社は、2015年4月22日までは東京都中央区京橋に所在していましたが、同年4月27日には東京都千代田区神田神保町に移転しています。移転後はIVYビルの6階に事務所を構え、現在も美術や建築に関する学術的な資料の出版を続けています。

中央公論美術出版は、専門的な視点からの研究と資料提供に力を注ぎ、これからも多くの研究者や専門家に支持される存在であり続けるでしょう。

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