百獣大戦グレートアニマルカイザー

『百獣大戦グレートアニマルカイザー』は、玩具メーカーのバンダイおよびゲームソフト開発会社のバンダイナムコゲームスが共同で展開していたアーケードゲームシリーズです。前作にあたる『百獣大戦アニマルカイザー』からシステムが一新されたアッパーバージョンとして、2012年7月下旬に稼働を開始しました。大型の21.5インチ液晶モニター、2基のICカードリーダー、そして当時最新の業務用基板である「ES2 PLUS」を搭載した新型筐体でプレイヤーを迎えます。

本シリーズは稼働中に複数回のリニューアルを実施しています。2013年7月11日には『百獣大戦グレートアニマルカイザーゴッド』へ、翌2014年には『百獣大戦グレートアニマルカイザービッガー』へと名称と内容を更新し、2016年8月に稼働を終了しました。

ゲームシステム

最大の特徴は、前作の1対1から変更された2対2のタッグマッチ形式です。プレイヤーは、メインの戦闘を担う「ファイターカード」、ファイターをサポートする「フレンドカード」、そして自然の力を借りる「ミラクルカード」の3種類のカードを組み合わせてデッキを構築します。また、『ビッガー』シリーズからは、乗り物である「ビッガーメカ」を呼び出す「ビッガーカード」も加わりました。これらのカードがなくてもゲームをプレイすることは可能ですが、戦略の幅は狭まります。

各カードの役割

ファイターカード（赤）: メインで戦う動物のカード。それぞれ固有の3種類の技を持ち、「アタック」「マルチ」「ディフェンス」のいずれかのタイプ、種族が設定されています。特定の動物は「特殊能力」も備えており、フレンドとの組み合わせによっては攻撃力や体力が上昇する「タッグボーナス」や、複数の動物による強力な連携技「X技」が使用可能になります。
フレンドカード（黄）: ファイターを支援するカード。ファイターの技を「友情強化」し、特定の技を強化すると「友情奥義」として威力が大幅に向上します。多くのフレンドはゲーム進行に影響を与える「オタスケ能力」を持ち、一部には独自の「特殊能力」を持つものもいます。
ミラクルカード（青）: 大自然の力を借りた攻撃を行うカード。ファイターのタイプとの相性が良ければ、相手に与えるダメージが増加します。ゲーム展開を有利にする「ミラクル効果」や、動物の能力を一時的に高める「オーラ」を持つカードも存在します。
ビッガーカード（緑）: 『グレートアニマルカイザービッガー』で追加されたカード。条件を満たすことで「ビッガーメカ」を発進させ、ファイターが搭乗して戦います。

ICカード

ゲーム機からは排出されませんが、別売りのICカードを使用することで、ゲームプレイの記録を残し、キャラクターを継続的に強化できます。ICカードを使ってプレイすると、使用したファイターやフレンドの種族ごとに経験値が蓄積されレベルアップします。レベルが上がると、攻撃力や体力が上昇したり、得意技やガードの発動確率が変化したりして、バトルを有利に進められます。また、かつてはモバイル専用サイトと連携させることで、キャラクター強化に繋がる特典を受け取ることもできましたが、このサービスは2014年7月16日に終了しています。さらに、『ゴッド1弾』以降はミッション達成で得られる「守護霊」、『ビッガー6弾』以降は「百本勝負」モードの戦歴もICカードに記録されるようになりました。

登場動物

ゲームに登場する動物は、一般的な動物だけでなく、名前や性格が設定されたキャラクター化された個体が多く存在します。動物たちはその種類や特徴に基づき、「キバ族」「メガトン族」「ワイルド族」「レイケツ族」「マリン族」「ツバサ族」「ドクムシ族」「ムシ族」の8つの種族に分類されています。

特殊能力

登場する動物たちは、それぞれ様々な特殊能力を備えています。これには、動物本来の性質に基づく「毒」「痺れ」「吸血」といったものや、キャラクター独自の「カイザーフラッシュ」「デビルリボーン」など、バトルに大きく影響を与える能力が存在します。リニューアルやシリーズの進行と共に、「ゴッドフラッシュ」「絶滅宣言」「時間ストップ」「イケイケソング」など、多彩な能力が追加されました。

X技

特定のファイターとフレンドの組み合わせによって発動する協力技です。通常の技に加えて「X」が選択可能となり、選ぶとパートナーと連携した特別な演出と共に強力な攻撃が繰り出されます。「絶対完全フィニッシュエンド」（ライアン＆ボルト）や、各軍団のメンバー同士で発動する連携技など、様々なX技が存在します。

その他の展開

モバイル連動: 稼働初期にはモバイル専用サイトとの連携があり、プレイ記録の確認や特典の受け取りが可能でした（現在はサービス終了）。
主題歌: シリーズを通して、歌手の串田アキラ氏が各タイトルの主題歌を担当しました。
コラボレーション: くら寿司や水族館、動物園など、様々な店舗や施設とのコラボレーションが行われ、限定カードが配布されました。また、菓子や食玩といった関連商品も多数発売されています。
漫画: 『コロコロイチバン!』にて杉谷和彦氏、『てれびくん』にて出水ぽすか氏による漫画が連載されました。

『百獣大戦グレートアニマルカイザー』シリーズは、個性豊かな動物キャラクターたちの白熱したタッグバトル、カードとICカードを組み合わせた戦略性、そして継続的なキャラクター育成要素で、多くのプレイヤーに親しまれました。

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