的場均

的場均の軌跡

的場均（まとば ひとし）は、1957年3月25日に北海道新冠町の農家に生まれた。10人兄弟の末っ子として育ち、家業として米作を営む傍ら、家では競走馬の生産も行っていたため、早くから馬と深い関わりを持っていた。1961年、父に連れられて札幌競馬場を訪れ、騎手たちの姿に感銘を受け、そこから騎手を志すようになった。

小学校時代には、厩舎作業の手伝いや自宅の農耕馬に乗って技術を学び、独学で乗馬のスキルを磨いていった。中学3年生の時、騎手養成課程を受験するが不合格、しかしその後の知識で短期講習生となり、名調教師・大久保房松の厩舎に入門することとなる。大久保氏からは具体的な指導はなかったが、実地での経験を通じて成長していった。

騎手としてのキャリア

1975年に騎手免許を取得し、初戦は11着となったが、その後7月に初勝利を飾る。初年度は12勝を挙げ、続く2年目には27勝、3年目には46勝と飛躍的に成長。1989年にはドクタースパートで皐月賞を制し、GI競走初制覇を果たした。その後もライスシャワーやグラスワンダーなど、名馬とのコンビで多くのGIレースを制することになる。特にライスシャワーとは絶妙なコンビネーションを見せ、数々の記録を打ち立てた。

1994年にはJRA通算1000勝を達成し、その後も輝かしい成績を残し続けた。騎手時代の通算成績は12309戦1440勝、GI競走13勝を含む重賞63勝。その間、騎手としての実力を証明し続け、その冷静さと技術から「ヒットマン」という異名でも知られるようになる。彼は、その時々のレースで競走馬に合わせた絶妙な騎乗を見せ、多くのファンに支持されてきた。

調教師としての活躍

2001年2月に騎手を引退後、同年3月に美浦トレーニングセンターに調教師として厩舎を開業した。初出走から順調に勝利を重ね、2006年には息子の勇人が騎手デビューを果たすなど、家族そろって競馬界に貢献している。2007年には、騎手時代の経験を生かし、ジョッキーマスターズというエキシビション競走に参加した。競技者としての立場から、今後の競馬界の発展に寄与する存在として注目されている。

人物と逸話

的場は、成績に対して謙虚でありながら確固たる精神を持ち続けた。勝利への喜びを馬と共有し、勝った後にガッツポーズをしない姿勢からは、その競馬に対する真摯な姿勢が伺える。さらに、馬の健康を第一に考え、騎乗後は必ず馬の様子を確認する習慣を持っていたことも、彼の信頼される理由である。競馬の古き良き時代を教え込まれた的場は、真摯さと誠実さを大切にし、他の騎手たちからも一目置かれる存在であり続けた。

的場均は、ただの騎手や調教師だけでなく、競馬界の大きな貢献者として、数々の名馬と共に歩んだ道をずっと忘れられないものにしてきた。今後も、その功績は多くの人々に語り継がれることでしょう。

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