皇學館大学現代日本社会学部

皇學館大学 現代日本社会学部

学部概要

皇學館大学現代日本社会学部（こうがくかんだいがくげんだいにほんしゃかいがくぶ）は、三重県伊勢市にある皇學館大学に設置されている学部の一つです。この学部は、現代日本社会学科という単一の学科で構成されています。

その創設は2010年に遡り、これは日本の大学において「現代日本社会学部」という名称で設置された初めての事例となりました。皇學館大学がその建学の精神として大切にしている日本の歴史や伝統に関する教育研究を基盤としつつ、現代社会が抱える諸問題や社会福祉といった分野にも焦点を当てています。学部の基本的な目標は、日本人としての確固たるアイデンティティを持ちながら、グローバルな視点から世界の文明発展に貢献できるような有為な人材を育成することにあります。開設当初のカリキュラムは、「現代社会」「伝統・文化」「社会福祉」の3つの主要な区分で構成されており、その後のコース編成の基礎となりました。

沿革

現代日本社会学部の設置には、いくつかの歴史的な流れがあります。皇學館大学は、1998年に奈良県名張市に位置していた名張学舎に社会福祉学部を設置していました。この名張学舎は、大学が新制大学として開学した昭和37年に設置された施設でしたが、社会情勢の変化などを踏まえ、2009年には名張校舎および社会福祉学部の廃止が決定されました。名張学舎の跡地は、後に近畿大学工業高等専門学校が移転して利用されています。

そして、その翌年である2010年（平成22年）に、現在の現代日本社会学部が現代日本社会学科の単一学科体制で新たに設置されます。開設当初は、教育内容を大きく4つの分野に区分していました。すなわち、福祉計画・社会福祉分野、政治経済分野、現代社会分野、そして伝統・文化分野です。さらに、これらの分野のもとに、合計7つの多様なコースが設けられました。具体的には、政治・経済分野に政治・経済コース、現代社会分野に地域社会コース、社会臨床コース、社会情報コースの3コース、福祉計画・社会福祉分野には福祉計画コースと社会福祉コースの2コース、そして伝統・文化分野には伝統継承・文化創造コースの1コースが設けられ、学生はそれぞれの興味に応じた専門分野を選択できるようになっていました。学部が設置された同年11月11日には、学部の研究活動に関連する学会として現代日本学会が発足しています。

翌2011年（平成23年）には、現代日本学会の学術雑誌である「日本学論叢」の第一号が刊行されました。学部組織にも変化があり、2012年（平成24年）には、現代社会分野の名称が地域社会分野に変更されました。さらに、2014年（平成26年）には専門科目カリキュラムが再整理され、「政治経済」「社会福祉」「地域社会」「伝統文化」の4つの区分に体系化されました。これにより、分野名称との整合性が図られ、この時点で複雑だったコース制は廃止されました。

その後の改編として、2019年（平成31年）4月には、この年度に入学する学生から、学科内に設けられていた教職課程のうち福祉科の教科が履修できなくなりました。また、カリキュラムの大幅な改定が行われ、従来の4つの分野は再編成され、経営革新コース、地域創生コース、福祉展開コース、文化発信コースという4つの新たなコース体制へと移行しました。

比較的近年の動きとしては、2023年（令和5年）度より文化発信コースの募集が停止され、現在は経営革新コース、福祉展開コース、地域社会コースの3コース体制となっています。

現在の組織構成（2023年度以降）

現代日本社会学科は、以下の3つのコースで構成されています。

経営革新コース（旧政治経済分野の内容を含む）
福祉展開コース（旧社会福祉分野の内容を含む）
* 地域社会コース（旧地域社会分野の内容を含む）

※文化発信コース（旧伝統文化分野の内容を含む）は令和4年度入学者までで募集停止。

このように、皇學館大学現代日本社会学部は、建学の精神を礎にしながらも、時代の変化や社会のニーズに応じたカリキュラムや組織の改編を重ね、現代社会の諸課題に対応できる人材の育成を目指しています。

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