益田市生活バス

益田市生活バス・益田市乗合タクシー・美都乗合タクシー

島根県益田市では、市民の日常生活における移動手段を確保し、特に中山間地域に存在する交通空白地帯を解消するため、複数の公共交通サービスを提供しています。その中心となるのが、「益田市生活バス」と、同じ目的を持つ「益田市乗合タクシー」、そして旧美都町域を引き継いだ「美都乗合タクシー」です。これらのサービスは、地域の実情に合わせた柔軟な運行形態をとっています。

益田市生活バス

概要

益田市生活バスは、主に市内の交通不便地域における移動手段の提供を目的として、2002年3月1日に運行を開始しました。運賃体系は100円刻みの区間制を採用しており、小学生は大人運賃の半額、未就学児は無料で利用できます。障害者手帳をお持ちの方への運賃割引制度も設けられています。お得な11枚綴りの回数券も購入可能です。運行日は、毎週日曜日と年末年始（12月31日から1月3日まで）を除く毎日です。ただし、土曜日は第2土曜日を除いて運行しており、祝祭日は通常通り運行します。このバスサービスは、道路運送法に基づいた自家用自動車（白ナンバー車両）による有償運送の形態で運行されており、指定管理者制度のもとで石見交通が運行業務を担っています。

沿革

2002年3月1日の運行開始当初は6路線で、車両は29人乗り、24人乗り、12人乗り各1台の計3台体制でした。翌2003年3月には12人乗り車両が1台追加され計4台に増え、4月には路線数が8路線に変更されましたが、6月には再び6路線に戻りました。2006年11月には10路線へと拡大され、民間路線バスのバス停まで接続するフィーダー方式に移行しました。2009年4月1日には、当時の6路線が益田市乗合タクシーへ移行し、生活バスの路線は4路線となりました。2011年4月1日には一部路線の変更や、一部区間の経由日変更などが行われています。

現在の路線

現在、益田市生活バスは以下の4路線で運行されています。

羽原・中垣内線（全長11.0 km）：羽原から中垣内集会所前を経由し、中西小学校前を結びます。
二条・後溢線（全長35.4 km）：黒周中倉を起点に、弋ヶ田原、湯田川橋などを経て石見横田駅前方面に至る長距離路線です。一部区間は特定の曜日のみの経由となります。
山折・乙子線（全長14.0 km）：山折上から小原を経由し、乙子下、医光寺前方面へ運行します。火曜・木曜・金曜と第2土曜に運行されます。
金山・宇治・津田線（全長17.3 km）：金山を起点に、宇治集会所前、鎌手駅前などを経由し、久城団地前へ向かいます。

使用される車両は、路線の需要に応じて小型バスが主に用いられています。

益田市乗合タクシー

概要

益田市乗合タクシーは、益田市生活バスと同様に、市内の交通不便地域対策として運行されています。もともとは有田・河内線の1路線から始まりましたが、後に益田市生活バスの一部の路線が乗合タクシーに転換されました。そのため、運賃制度は益田市生活バスと共通しています。運行日は年末年始（12月31日から1月3日まで）を除く毎日で、祝祭日は運行されます。運行業務は益田タクシーと日本交通（島根）に委託されています。

沿革

2006年11月に1路線で運行を開始しました。2009年4月1日には、益田市生活バスから6路線が乗合タクシーに切り替えられました。2011年4月1日には、2路線（桂ヶ平・黒周線、山折・津田線）が追加され、一部路線の経路変更や予約方式の導入が行われています。

現在の路線

現在、益田市乗合タクシーは以下の路線で運行されています。運行日や担当会社は路線によって異なります。

梅月・左ヶ山・多田線：火曜・金曜・第4土曜運行。益田タクシー担当。
栃山・岩倉線：火曜・金曜・第4土曜運行。益田タクシー担当。
喜捨見・南田線：火曜・金曜・第4土曜運行。益田タクシー担当。
滑線：月曜・木曜・第2土曜運行。益田タクシー担当。
有田・河内線：月曜・木曜・第2土曜運行。日本交通（島根）担当。
千振・種線：火曜・金曜・第4土曜運行。日本交通（島根）担当。予約方式です。
松原・河成・虫追線：月曜・木曜・第2土曜運行。益田タクシー担当。予約方式です。
桂ヶ平・黒周線：運行日・担当会社は記載の情報に含まれていません。
山折・津田線：運行日・担当会社は記載の情報に含まれていません。

使用される車両は、ジャンボタクシーです。

美都乗合タクシー

概要

美都乗合タクシーは、石見交通の路線バス廃止に伴う代替交通として、旧美都町が運行を開始し、益田市への合併後に引き継がれたサービスです。運賃は1回200円の均一料金となっています。運行業務は日本交通（真砂線）および第一交通（益田）に委託されています。

沿革

2001年10月1日、旧美都町が石見交通の廃止路線（久原線、葛篭線）の代替として運行を開始しました。2004年11月1日の益田市への合併により、益田市が事業を引き継ぎました。2007年4月1日には葛篭線が運行休止となり、2010年1月1日には久原線の運行時間が変更されました。2020年10月1日には、石見交通真砂線の廃止に伴い、乗合タクシーとしての真砂線の実証運行が始まっています。

現在の路線

現在、美都乗合タクシーは以下の2路線が運行されています。

久原線（全長7.4 km）：東仙道から三谷を経由し久原を結びます。月曜から土曜に1日1往復運行されます。
* 真砂線：久々茂中から東長沢を結びます。月曜から金曜に1日3往復運行されます。

過去には葛篭口から葛篭を結ぶ葛篭線が運行されていました。

使用される車両は、主に5人乗りの乗用タクシー車両です。

これらの公共交通サービスは、益田市内の地域住民の生活を支える重要な移動手段となっています。

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