益都路

益都路（えきとろ）について

益都路はかつて中国に存在した地域で、特にモンゴル帝国および大元ウルスの時代に重要な役割を果たしていました。この地域は現在の山東省濰坊市にあたります。益都路の治所は益都県に位置しており、この地域は大元ウルスの行政下では中書省に直結する重要な場所でした。益都路はまた、チンギス・カンの末弟であるテムゲ・オッチギンが始祖とするオッチギン・ウルスが支配する投下領でもありました。

歴史背景

益都路の歴史は唐代の青州や金代の益都路総管府にまで遡ります。モンゴル帝国のチンギス・カンが金朝への初の遠征を行った際、彼の弟たちであるジョチ・カサルらの指揮のもと、遼東及び遼西から南下した軍隊が山東半島を攻略し、これにより益都路もモンゴル帝国の支配下に入りました。この遠征が成功裏に終わった後、チンギス・カンは各王や将軍にそれぞれの攻略した地域に領地を分配しました。その結果、山東省の西部地域にオッチギン家の勢力圏が堅固に築かれました。

1236年には、第2代皇帝オゴデイがチンギス・カンの時代の土地配分を確認し、河北の各地を諸王や勲臣に分け与えました。しかし、その際に益都路はカサル家のイェグに与えられましたが、その後何らかの事情によりオッチギン家の投下領へと変わりました。

1287年（至元24年）、テムゲ・オッチギンの直系子孫であるナヤンが叛乱を引き起こしたことが記録に残っており、彼が管轄していた益都路及び平灤路の官職が解任されたとのことからも、この地域が常にオッチギン王家の支配下にあったことがわかります。この出来事は、モンゴル帝国初期から続くその重要性を示しています。

最終的に、明朝の朱元璋が建立された後、益都路は「青州府」と改名されました。

益都路の行政構造

益都路には、以下のような行政構造が存在していました。

管轄州県

• - 司: 録事司
• - 県: 21県（そのうち6県は路の直轄）
• - 州: 8州

直轄の6県

• - 益都県
• - 臨淄県
• - 臨朐県
• - 高苑県
• - 楽安県
• - 寿光県

8つの州

• - 濰州: 北海県・昌邑県を管轄
• - 膠州: 膠西県・高密県・即墨県を管轄
• - 密州: 諸城県・安丘県を管轄
• - 莒州: 莒県・沂水県・日照県・蒙陰県を管轄
• - 沂州: 臨沂県・費県を管轄
• - 滕州: 滕県・鄒県を管轄
• - 嶧州
• - 博興州

このような詳細な行政区分と歴史的人物の関与によって、益都路は当時の中国の政治と歴史において重要な役割を果たしていたことが分かります。

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