盛明親王

盛明親王（もりあきらしんのう）は、平安時代前期から中期にかけて生きた皇族です。醍醐天皇の第十五皇子として生まれ、臣籍降下した際には源盛明と名乗りました。最終的な官位は四品・上野太守です。

経歴

朱雀天皇の時代、天慶5年（942年）に元服し、その後すぐに従四位上に叙せられたと考えられています。村上天皇の時代には大蔵卿を務め、位階は正四位下にまで昇りました。

康保4年（967年）、冷泉天皇が即位すると、間もなく親王宣下を受け、四品・上総太守に任じられます。円融天皇の時代初め、安和2年（969年）に安和の変が起こり、同母兄である左大臣・源高明が失脚しましたが、盛明親王は連座を免れたと見られています。この頃、上野太守に任ぜられ、およそ10年間その職を務めました。

寛和2年（986年）4月28日に出家し、そのわずか10日後の5月8日に薨去しました。享年59歳。

盛明親王は勅撰歌人としても知られており、『後撰和歌集』に1首、その他の勅撰和歌集にも合わせて6首の和歌が採録されています。歌人としての才能も持ち合わせていたことが伺えます。

官歴

天慶5年（942年）12月22日：元服
時期不詳：従四位上（直叙）
天暦7年（953年）10月28日：大蔵卿
康保4年（967年）6月22日：親王宣下、元大蔵卿正四位下。7月5日：四品。7月：上総太守
安和2年（969年）9月23日：上野太守
天元2年（979年）3月：上野太守
寛和2年（986年）4月28日：出家（四品）。5月8日：薨去

系譜

父：醍醐天皇
母：源周子（近江更衣） - 源唱の娘
妻：菅原在躬の娘
男子：源則忠（教忠?）
生母不詳の子女
男子：斯忠王
養子女
養女：源明子（965-1049） - 源高明の娘、藤原道長室

参考文献

宮崎康充編『国司補任 第三』続群書類従完成会、1990年
* 『尊卑分脈 第三篇』吉川弘文館、1987年

もう一度検索