盛永俊太郎

盛永 俊太郎について

盛永俊太郎（もりながとしたろう、1895年9月13日 - 1980年1月25日）は、日本の著名な農学者であり、特にイネの研究で知られています。彼は九州大学の名誉教授として活躍し、同郷の川原田政太郎、宇田新太郎と併せて「魚津の三太郎博士」と称されました。

来歴

盛永は富山県上野方村（現在の魚津市）に生まれました。小学校から中学校を経て、東京帝国大学の農学部を卒業後、彼の学問的なキャリアが始まります。1926年には九州帝国大学の教授に就任し、その後も1946年に農林省の農事試験場の長、1954年には農業技術研究所の所長を務めました。また、1950年には東京大学から農学博士の学位を取得しています。

盛永は、農業発達史調査会の編集長としても活動し、数多くの研究を行いました。1955年には、アブラナ属およびイネ属についての細胞遺伝学的な研究により、日本学士院賞を受賞。

イネの研究

彼の研究の中心は、細胞遺伝学を用いて病害虫に強いイネの品種を開発することでした。これは、イネの発祥地を探る手がかりとなり、数多くの新種も発見する結果をもたらしました。

また、盛永は柳田國男などの著名な研究者と共に稲作史研究会を結成し、『稲の日本史』などの重要な著作を残しました。これにより、イネの歴史や文化に対する理解も深まりました。

著書

盛永俊太郎の業績は多岐にわたりますが、以下のような著作があります：

• - 『農学考』養賢堂、1951年
• - 『日本の稲 改良小史』養賢堂、1957年

また、共編による作品もあり、特に注目すべきは、以下のものです：

• - 『稲の日本史』安藤広太郎、柳田國男との共編、筑摩叢書、1969年
• - 『享保元文諸国産物帳集成』全21巻、安田健との共編、科学書院、1985-2003年
• - 『江戸時代中期における諸藩の農作物 享保・元文諸国物産帳から』安田健との共編著、日本農業研究所、1986年

これらの著作や研究を通じて、盛永俊太郎は日本の農学の発展に大きく寄与し、後の世代にも多くの影響を与える存在となりました。

結語

盛永俊太郎は、農学研究だけでなく、教育や歴史の文脈でも重要な役割を果たしました。彼の業績は、今もなお日本の農業や文化の理解に寄与し続けています。

もう一度検索