盲虎

盲虎（もうこ）について

盲虎は、将棋の駒の一つであり、主に中将棋、大将棋、天竺大将棋、摩訶大大将棋、泰将棋、そして大局将棋に見られます。本将棋（一般的な将棋）には存在せず、その特徴的な動きから特別な役割を担っています。

動きと役割

盲虎の特徴的な点は、7方向に移動できることです。ただし、前方に進むことができないため、攻撃の際には意外に不便さを感じることもあります。この動きは、後ろや斜めに移動できる柔軟性を持ちながらも、前進が叶わないため、戦略的な使い方が求められます。

中将棋では「虎」とも呼ばれる盲虎は、成ると飛鹿（ひろく）に変わり、より強力な攻撃を行うことが可能です。成駒の飛鹿は盲虎の完全上位互換とされ、実戦において盲虎が成る場面は非常に希少ではありますが、成る機会がある場合には、競技者はほぼ確実に成りを選択するでしょう。このように、盲虎を敵陣に突入させることは難しいと言えます。

他の将棋との関係

中将棋や大将棋など、盤面のサイズが男女の将棋に比べて大きくなるにつれて、盲虎の出現頻度は減少します。実際、大将棋や天竺大将棋では、盲虎を成らせることが現実的な意味を持たなくなることも少なくありません。したがって、盲虎はしばしば終盤まで自陣に留まることが多く、守りに徹する役割を果たします。

さらに、摩訶大大将棋や泰将棋においても盲虎は見ることができ、成ると奔虎（ほんこ）に変化します。このような変化は、駒の使い方や戦略に多様性を持たせることに寄与します。

まとめ

盲虎は中将棋や大将棋などのいくつかの将棋スタイルにおいて、独特な特徴を持つ駒であり、その動き方から攻撃力と守備力を兼ね備えた役割を果たします。また、盲虎が成り駒に変わることでより強力な駒に生まれ変わるため、その戦略的価値は無視できません。将棋の駒の中でもユニークな存在である盲虎は、奥深い戦略を探求するプレイヤーにとって、特に興味深い研究対象となるでしょう。

参考文献

• - 梅林勲・岡野伸共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』（将棋天国社、2000年）

関連項目

• - 将棋類の一覧
• - 将棋類の駒の一覧

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