直列型エンジン

直列型エンジンについて



直列型エンジンは、レシプロエンジンの一つで、複数のシリンダーが1本のクランクシャフトに対して直線上に配置されたエンジンです。このエンジンのシリンダーの数は最低2本、最大で14本まであり、一般的には自動車やオートバイに広く使用されています。

特徴と呼称


直列型エンジンは、Inline-engineやStraight-engineとも呼ばれます。日本では誤訳から「L4」(Line-4)や「直4」「直6」といった略称も使われることが多いです。特に自動車では、一般に4気筒を中心に2気筒から6気筒のエンジンが搭載されていますが、過去にはもっと多くの気筒を持つモデルも存在しました。今日では、V型エンジンが一般的に多気筒エンジンとして利用されるようになっています。

オートバイの場合、エンジンが車体に直接搭載されることが多く、クランクシャフトの水平や垂直の配置によって呼称が変わることがあるため、注意が必要です。特に二輪業界では、シリンダーの配置に基づいて直列型と並列型(Parallel-engine)と呼び分けられることがあります。これにより、例えばカワサキのオートバイはカタログで並列と記載することもあります。

利点


直列型エンジンの利点は多くあります。特に、気筒数が3以下の場合には非常にコンパクトに設計でき、製造コストを抑えられます。また、シリンダーの数が増える場合でも、クランクシャフトを共有することでカムシャフト駆動機構が単一で済むため、エンジンの軽量化につながります。

4気筒以上の場合には、エンジンの振動を効果的に抑えられ、特に偶数気筒であれば1次振動を打ち消し、均等爆発が得やすいという特長もあります。これにより、エンジンの効率性が向上し、運転時の快適性が増します。

欠点


一方、直列型エンジンにはいくつかの欠点も存在します。まず、エンジンが縦に長くなるため、多気筒のエンジンを搭載するには広いスペースが必要です。自動車であれば大きなエンジンルームが求められ、特に横置きの場合はバンク角に制限が生じることがあります。

また、クランクシャフトの剛性確保が難しく、ねじれが生じやすいという設計上の課題もあります。このために、特別な設計が施された製品も存在しています。さらに、2気筒や3気筒のエンジンは特に振動が激しくなりがちで、これを克服するためにカウンターウエイトを使用する必要があります。4気筒でも、2次振動に対する対策が求められます。

種類と用途


直列型エンジンにはさまざまな種類があり、2気筒から14気筒までのモデルが存在します。用途としては、船舶用エンジンのほとんどが直列型であり、スーパースポーツバイクなどもこの形式が多く採用されています。さらに、鉄道車両では主にディーゼルエンジンの形態で利用され、特に気動車ではスペースの制約から横型に設計されることが一般的です。

結論


直列型エンジンは、その特有の構造から来る利点と欠点があり、さまざまな場面で使われています。特に乗り物や機械において、エンジンの選択はその性能や効率に大きく影響しますので、利用目的や設計に応じた選択が重要です。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。