相應院

相應院は、岐阜県高山市にある高野山真言宗の寺院です。その歴史は古く、創建時期は明確ではありませんが、明治維新以前は桜山八幡宮の別当寺である長久寺として地域に深く根ざしていました。

長久寺は、神仏習合の時代において、桜山八幡宮と一体となって信仰を集めていました。しかし、明治維新による神仏分離令の発布により、長久寺は廃寺という苦難に直面します。この時、長久寺の住職であった桜山識雄は、寺の再興を強く願い、高野山に赴きました。

高野山では、かつて金森氏ゆかりの相応院という寺院が廃院となっていました。桜山識雄は、この相応院の名跡を継ぎ、明治25年に現在の相應院を再興しました。これにより、長久寺は相應院として新たな歴史を歩み始めることになりました。

相應院には、長久寺時代から受け継がれる本尊の不動明王が祀られています。また、金森長近が奉納したと伝わる阿弥陀三尊像も所蔵しています。さらに、江戸時代に活躍した仏師、円空が制作した薬師如来像も大切に保管されています。これらの仏像は、相應院の歴史と信仰の深さを物語る貴重な文化財です。

相應院は、飛騨三十三観音霊場2番札所、中部四十九薬師霊場40番札所としても知られており、多くの参拝者が訪れます。静寂に包まれた境内は、訪れる人々に心の安らぎを与え、歴史と信仰の重みを感じさせてくれます。

参考資料として「飛騨寺院風土記」が挙げられます。この資料は、相應院を含む飛騨地方の寺院の歴史や文化を深く理解する上で役立ちます。

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