相良頼喬

相良頼喬

相良頼喬（さがら よりたか）は、江戸時代前期の寛永18年（1641年）に生まれ、元禄16年（1703年）に没した肥後国人吉藩の第3代藩主です。

生涯

寛永18年（1641年）5月25日、第2代藩主・相良頼寛の長男として誕生しました。寛文4年（1664年）閏5月7日、父の隠居に伴い家督を継承し、藩主となりました。

藩政においては、領内の発展に大きく貢献する土木工事に尽力しました。寛文2年（1662年）には、藩士の林正盛が頼喬の許可を得て、私財を投じて球磨川の開削工事に着手しました。この工事は寛文5年（1665年）に完成し、球磨川を下って八代まで船で行き来することが可能となり、領内の経済発展に大きく寄与しました。

しかし、貞享4年（1687年）には、真宗を信仰する男女14人が球磨川の支流である川辺川に入水自殺するという悲しい事件が起こりました。当時、人吉藩は薩摩藩と共に真宗の信仰を禁止しており、密告によって信徒であることが発覚し、頼喬が捕り手を差し向ける前に集団自殺を図ったとされています。この事件は、当時の宗教政策の厳しさを物語る出来事として記録されています。

元禄16年（1703年）1月24日、相良頼喬は63歳で生涯を閉じました。5人の息子に恵まれましたが、いずれも早世したため、従兄弟にあたり、正室・於亀の兄弟でもある相良頼福を養子に迎え、跡を継がせました。

系譜

父: 相良頼寛
母: 周光院 - 片岡正秀の娘（側室）
正室: 於亀、春晴院 - 相良長秀の娘
継室: 月仙院 - 鷲尾隆量の娘
側室: 西氏
子女
相良頼泰（長男） - 母は春晴院
相良頼真（次男） - 母は月仙院
相良式部
相良万吉
相良又四郎
於仙
* 養子: 相良頼福 - 相良長秀の次男

相良頼喬は、藩主として領内の発展に貢献する一方で、宗教問題にも直面するなど、様々な困難を抱えながら藩政を担いました。その生涯は、江戸時代の藩主の姿を今に伝えるものとして、歴史に刻まれています。

もう一度検索