相鉄不動産

相鉄不動産株式会社

相鉄不動産株式会社は、大手私鉄である相模鉄道を中心とする相鉄グループの一員として、不動産事業を担う企業です。その歴史は古く、過去に同名の法人が複数存在した後に、現在の法人は三代目として事業を展開しています。横浜という大都市の玄関口である横浜駅西口の開発から始まり、相鉄沿線の豊かな住環境づくりまで、グループの発展と地域の成長に深く関わってきました。

歴史の変遷：三つの法人時代

初代法人：横浜駅西口開発のパイオニア

相鉄不動産のルーツは、1955年（昭和30年）8月22日に設立された初代法人にあります。当時、荒地が広がっていた横浜駅西口の整備を目的として、相模鉄道の全額出資で誕生しました。初代法人は、この地を「総合繁華街 横浜センター」と名付け、横浜駅名品街（現在の相鉄ジョイナスの前身）、髙島屋横浜店、相鉄文化会館、相鉄ビル（現在の横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ付近）など、西口の礎となる施設群を次々と開業させました。設立当初の目的を達成した後、初代法人は1962年（昭和37年）9月1日に相模鉄道に吸収され、その役目を終えました。

二代目法人：沿線住宅地開発を推進

二代目の相鉄不動産株式会社は、初代法人の消滅後の相模鉄道直営時代を経て、1979年（昭和54年）12月12日に設立されました。主に相模鉄道沿線の住宅地開発や販売を目的とし、総合不動産会社として幅広い事業を手掛けました。

三代目法人：事業再編を経てレジデンシャル事業を主軸に

現在の相鉄不動産株式会社（三代目）は、相鉄グループの事業再編を経て2010年（平成22年）1月1日に誕生しました。前身の一つである相鉄都市開発株式会社が事業を承継し、商号を変更したものです。これにより、現在の相鉄不動産はレジデンシャル分野に特化した体制となり、相鉄ホールディングスの完全子会社として事業を行っています。

現在の事業領域：レジデンシャル分野を中心に

現在の相鉄不動産は、その長年の歴史で培われたノウハウを活かし、主に居住系不動産事業を展開しています。

マンション・戸建て分譲事業「グレーシア」

同社の主力は、分譲マンションおよび一戸建ての「グレーシア (GRACIA)」シリーズです。神奈川県を中心に、沿線内外で環境創造型の大規模開発やタワーマンションなど、数多くの実績があります。デザイン性の評価された物件も手掛けています。

賃貸・その他事業

居住系賃貸マンションのブランド「KNOCKS（ノックス）」を展開するほか、高齢者施設の賃貸事業（ライフコミューン希望が丘など）や、栃木県那須高原での別荘分譲地「相鉄の那須」およびコテージ運営も行っています。居住系賃貸事業のウェートが増しています。

沿革に見る開発実績：地域とともに歩んだ軌跡

相鉄不動産の歴史は、相鉄グループの沿線開発と深く結びついています。戦後、相模鉄道は希望ヶ丘などでの宅地開発に着手。1955年設立の初代相鉄不動産は、横浜駅西口開発を主導し、商業・文化施設整備を通じて現在の西口繁栄の礎を築きました。初代法人の消滅後も、沿線での大規模住宅団地開発（えびな国分寺台団地、瀬谷・深見団地など）を推進。特に1970年代からのいずみ野線建設に伴い、沿線各地（いずみ野、緑園都市など）で計画的な街づくりを行い、土地区画整理事業も活用しました。1979年設立の二代目相鉄不動産が開発・販売を担い、沿線への教育機関誘致にも貢献しました。現在の三代目法人に事業が引き継がれた後も、レジデンシャル開発を主軸に展開しています。

おわりに

相鉄不動産株式会社は、三代にわたる歴史の中で、横浜駅西口開発や沿線における大規模な街づくりを通じて、相鉄グループの成長と地域社会の発展に大きく貢献してきました。現在の三代目法人は、レジデンシャル分野を主軸に、分譲マンション「グレーシア」シリーズ、賃貸マンション「KNOCKS」などを展開。長年培ってきた信頼と実績を基盤とし、多様化するライフスタイルに対応した質の高い住まいとサービスを提供し続けています。

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