相馬港

相馬港：東北地方の物流とエネルギーを支える港湾

相馬港は、福島県相馬市に位置する、東北地方の物流において重要な役割を担う港湾です。港湾法上の重要港湾、港則法上の特定港に指定されており、福島県北部のみならず、宮城県南部地域の経済活動を支える基幹施設となっています。

相馬港の管理は福島県相馬港湾建設事務所が行っています。昭和56年には全国で初めてエネルギー港湾の指定を受け、その歴史は長く、石油、石炭、液化天然ガスなどエネルギー関連貨物の取扱いに特化した施設を有しています。

各埠頭の概要

相馬港は複数の埠頭から構成されています。それぞれの埠頭は特定の貨物取扱いに特化しており、港湾全体の機能を支えています。

1号埠頭: 港湾の南端に位置し、セメント類の取扱いを中心としています。現在、旅客ターミナルとしての整備やレジャー利用を促進するための開発が進められています。
2号埠頭: 港の中央部に位置し、木材類の取扱いを中心としています。福島県道389号相馬港線の終点からも近接しています。
3号埠頭: 2号埠頭と5号埠頭の中間に位置する、整備予定の埠頭です。海上コンテナ貨物の取扱いを主とし、地域の物流拠点としての機能強化が期待されています。災害発生時における多目的利用も計画されています。
4号埠頭: 石油資源開発株式会社による液化天然ガス基地が2018年3月28日から操業を開始しています。
* 5号埠頭: 港湾の北端に位置し、石油、石炭などエネルギー関連貨物の取扱いを中心とする、港湾内最大の埠頭です。危険物貨物の物流効率化に向けた整備が進められています。

相馬港の将来展望

相馬港では、更なる機能強化と利便性向上に向けた取り組みが進められています。具体的には、3号埠頭の整備によるコンテナ貨物取扱能力の向上、1号埠頭の旅客ターミナル化、そして既存埠頭における安全で効率的な貨物取扱いの実現などが挙げられます。これらの整備により、相馬港は地域経済の活性化に大きく貢献することが期待されています。

2022年福島県沖地震による被害

2022年3月16日に発生した福島県沖地震（震度6強）は、相馬港にも甚大な被害をもたらしました。埠頭や岸壁などの港湾施設に深刻な損傷が生じ、被害総額は約51億円にのぼると推定されています。（これは2011年東北地方太平洋沖地震の約10倍に相当します。）地震からの復興に向けた取り組みが現在も続けられています。

相馬港周辺

相馬港周辺には、松川浦県立自然公園、相馬中核工業団地、相馬共同火力発電新地発電所などの施設があります。また、中磯海岸や原釜尾浜といった美しい海岸線も港湾の近隣に広がっています。

まとめ

相馬港は、エネルギー関連貨物と一般貨物の取扱いを両立させ、地域経済を支える重要な拠点です。地震からの復興、そして更なる発展に向けた取り組みが、関係者によって着実に進められています。今後、相馬港が東北地方の物流と経済において、より重要な役割を果たしていくことが期待されます。

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