看護 (教科)

看護（かんご）

高等学校における専門教科「看護」は、産業としての看護分野に関する知識と技術を習得させることを目的としています。この教科は、後期中等教育（高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部）における専門教育の一環として位置づけられています。

教科「看護」の概要

「看護」の教科は、看護に関する学部や学科（看護学科、衛生看護科など）や、総合学科などで主に開講・学習されます。この教科に属する科目は6つあり、そのうちいくつかを選択し、普通教科と組み合わせて教育課程を編成することで、専門学科や総合学科において学科の特色を活かした教育が展開されています。

教科の目的

「看護」の教科は、看護の専門家としての基礎を形成することを目的としています。生徒は、看護に関する基本的な知識、技術、倫理観を習得し、将来の看護専門職としてのキャリア形成に向けた土台を築きます。

科目構成

「看護に関する学科」では、以下の科目が設定されています。

原則履修科目（2科目）

基礎看護：看護の基本概念や理論、看護技術の基礎を学びます。
看護臨床演習：実際の臨床場面を想定した演習を通じて、看護実践能力を養います。

共通的な基礎科目（1科目）

看護情報処理：看護における情報活用能力を養うための科目です。患者情報や医療記録の管理、情報技術の活用法などを学びます。

選択的な基礎科目（3科目）

看護基礎医学：人体の構造や機能、疾病に関する基礎的な知識を学びます。
成人・老人看護：成人期から老年期における健康問題や看護について学びます。
母子看護：妊娠・出産・育児に関する知識や技術を学びます。

看護に関する学科

看護に関する学科は、高等学校設置基準に規定される専門教育を主とする学科の一つです。専門教科「看護」に属する科目のうち、「基礎看護」及び「看護臨床実習」が原則履修科目として指定されています。

学科の例

看護科：看護師養成を目的とする学科で、看護専攻科との5年一貫教育を実施する場合があります。3年次で卒業して進学することもできますが、准看護師の資格は取得できません。
看護専攻科：看護科卒業生が進学する2年制の課程です。
衛生看護科：准看護師を養成する学科です。卒業後、看護学校や高等学校専攻科で2年間学ぶことで、看護師の受験資格を得ることができます。

履修科目例

看護科などでは、上記に挙げた科目の他にも、専門的な科目を履修します。

設置状況と変化

2002年、厚生労働省は准看護師資格取得のための専門学科授業時数を1500時間から1890時間に増加させる改定を行いました。これは准看護師養成の縮小につながる動きと見られています。このため、衛生看護科の募集停止や、定時制高校での技能連携制度の廃止が相次ぎました。
一方で、看護師養成を目的とした5年一貫教育を行う看護科への転換が進んでいます。これにより、より専門性の高い看護師の育成を目指す動きが強まっています。

関連情報

看護高等学校
看護福祉高等学校
日本の看護に関する学科設置高等学校一覧
専門教育を主とする学科
看護学
医学教育
日本の看護師

外部リンク

* 文部科学省　第3章　専門教育に関する各教科　第6節　看護

もう一度検索