真・女神転生 STRANGE JOURNEY

『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』は、2009年にアトラスから発売されたNintendo DS用のゲームソフトです。この作品は、通常の番号付き作品ではなく、『真・女神転生』シリーズの外伝的な位置付けを持つタイトルとなっていますが、製作段階ではナンバリング作品としての意図もあったようです。ゲームの副題である「奇妙な旅」は、プレイヤーが体験する異次元空間での探検を象徴しています。

ストーリー背景

21世紀初頭、70億人の人類を抱える地球に、南極の深い海の底から「シュバルツバース」と命名された亜空間が出現します。この未知の空間は、周囲の物質を破壊しながら拡大し続け、地球や人類の存続を脅かしています。国連はこの亜空間を制御できず、最終的な手段として有人探査船の派遣を決定します。

調査隊は様々な国から優秀な兵士や科学者を集めた4隻の艦から構成され、その中には主人公が乗艦する「レッドスプライト号」が含まれています。彼らは保護シールドを装備し、シュバルツバースに突入しますが、何者かの攻撃を受け、艦は不時着してしまいます。

不時着した場所は、神話や伝承に登場する悪魔たちが闊歩する恐ろしい世界でした。ここで主人公たちは、「悪魔召喚プログラム」が送られてくるのを受け、悪魔を使役する力を得ます。生き残りをかけた壮絶な戦いが、彼らを待ち受けています。

主人公は、隊長のゴアや他の生存者、他国の調査隊メンバーたちと協力し、さまざまなセクターを探索しながら、シュバルツバースの謎を解き明かしていきます。しかし、悪魔たちの脅威だけでなく、自らが持つスタンスにも影響を受けながら、彼らは選択を迫られます。

ゲームシステム

プレイヤーは、悪魔を召喚したり合体させたりしながら進行します。悪魔にはそれぞれ属性があり、これによってプレイヤーの選択や行動が変化します。ゲームにはメインミッションとエキストラミッションが存在し、特にメインミッションは物語の進行に直接繋がる重要な要素です。

本作にはスタンスというシステムが搭載されています。LAW（秩序）、NEUTRAL（中立）、CHAOS（混沌）の3つのスタンスがあり、選択肢によってプレイヤーのスタンスが変わります。それに伴ってエンディングや敵キャラクターも変化するため、何度でも楽しむことができる仕組みになっています。

シュバルツバースとそのセクター

シュバルツバースは、南極に出現した亜空間としてさまざまな次元や世界が形成されており、それぞれのセクターにはボス悪魔が待ち受けています。各セクターは、人間の世界を模倣した形で構築されており、現実の社会的トラウマや先代文明の影響が色濃く反映されています。

プレイヤーはこれらのセクターを攻略しながら、シュバルツバースの意図や人類の背景に迫っていきます。悪魔の召喚や合体、ミッションのクリアによって新たな装備品やアイテムを獲得し、自らを強化していくことが求められます。

登場人物と悪魔たち

数々の魅力的なキャラクターたちがプレイヤーを待っており、彼らは物語に深い影響を与えます。主人公に加え、隊長のゴア、ひたむきなヒメネス、そして科学者のゼレーニンなど、個々の背景や意向を持ったメンバーたちが、各々の目的のために協力し合います。

悪魔たちも重要な要素であり、それぞれの悪魔には独自の性格や能力が設定されています。彼らとの調和や対立が物語を進行させ、プレイヤーに新たな体験を提供します。無限に広がるシュバルツバースの中で、運命を握る主人公の選択が次第に試されていくことでしょう。

結論

『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』は、難解かつ深淵なテーマを持ちながらも、プレイヤーに選択の自由と多様なエンディングを提供する作品です。プレイヤーは、悪魔を使役し、シュバルツバースという未知の空間を探索しながら、人類の運命と自らのスタンスを見つめ直す旅を続けます。この作品は単なるゲームではなく、哲学的な探求をも含んでおり、何度でも楽しむ価値のある内容に仕上がっています。

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