真夜中の警視

真夜中の警視

『真夜中の警視』は1973年4月3日から5月15日まで、関西テレビおよびC.A.L.によって制作されたテレビドラマです。作品は関西テレビとフジテレビ系列で放送されました。放送は毎週火曜日の22:00から22:55の時間帯に行われ、全13話が予定されていましたが、主演の原田芳雄が自動車事故を起こしたため、7話で打ち切りとなってしまいました。

主人公・西条五郎

この物語の主人公である西条五郎は、元警官という過去を持ち、警察を辞めた後は新宿で有線放送の「山手第二有線放送」を経営しています。彼の生活は経済的にも精神的にも自由な面があり、時に“事件屋”として様々な依頼を引き受けるキャラクターです。金銭目的で新たな事件に関わることもあれば、自らの信念に従って動くこともあります。具体的には、殺人、麻薬、女体密輸など、さまざまな事件に立ち向かいながら、社会の裏側での悪や日常に潜む矛盾と対峙し、独自の方法で解決していく姿が描かれています。

西条は、過去に悪行を働いていた人々から「真夜中の警視」と恐れられており、彼の名は広がっています。このニックネームからも分かるように、彼は夜の世界での活動に特化した人物であり、その冷静な判断力と機転の聡明さは視聴者を惹きつけました。

創作の背景

ドラマには当時の社会情勢や風俗が巧みに取り入れられており、登場人物には冷静でドライな思考を持ったキャラクターが多く登場します。これらのキャラクターは、無味乾燥と言われた当時の社会への批判や風刺を表現するための反面として位置づけられていました。

また、日本シナリオ作家協会がこのドラマの企画に関与しており、13人の作家がそれぞれ異なる話を担当する予定でしたが、制作の進行によって途中で打ち切りとなりました。

キャストとスタッフ

主演の西条五郎を演じたのは原田芳雄で、その存在感や演技力が高く評価されていました。他にも、ルポライター役の中野良子や暴力団の組長役を担った菅貫太郎、榊警部補の菅野忠彦など、豪華なキャスト陣が揃っていました。

制作面では、プロデューサーを加藤哲夫が務め、多くの才能あるスタッフたちが関与しました。

主題歌と挿入歌

ドラマの主題歌はA・ケーシーの『真夜中は青いバラ』であり、挿入歌には彼の『嘘の中のほんと』も使用されています。これらの楽曲は、物語に深みを与え、視聴者の印象に残る要素となりました。

結論

『真夜中の警視』は、1970年代の社会を背景にした独特のストーリー展開や魅力的なキャラクターが存在し、視聴者に深い考察を促す作品でした。短命な番組であったものの、今なおその存在は多くの人々に記憶され、再評価されています。

もう一度検索