菅貫太郎

菅 貫太郎（すが かんたろう）

菅貫太郎（1934年12月12日 - 1994年3月22日）は、日本の映画及びテレビ界で非常に多才な役者として知られる俳優です。秋田県湯沢市出身で、本名も同じです。彼には「スガカン」という愛称があり、多くのファンに親しまれました。

学歴と初期のキャリア

秋田県立湯沢高等学校を卒業後、菅は中央大学に進学しましたが、学業を続けることを決断できず中退します。1957年、彼は劇団俳優座の養成所に入所し、1960年には正式な座員となりました。この劇団で彼は「セチュアンの善人」での初舞台を経験し、その後より多くの演劇作品へと活動を広げていきました。

1971年、彼は菅孝行作の「はんらん狂騒曲」上演を巡り、劇団の幹部と対立し、市原悦子や中村敦夫、原田芳雄らと共に造反公演を行うことで俳優座を去りました。

映画・テレビでの功績

菅貫太郎は劇団所属の傍ら、映画やテレビ[[ドラマ]]にも出演し、特に悪役としての存在感が際立ちました。独特のオーバーリアクションや病的な表情が、彼の演技スタイルの特徴です。主な映画作品としては『霧丸霧隠れ』（1961年）、『十三人の刺客』（1963年）、『幕末残酷物語』（1964年）、『田園に死す』（1974年）などが挙げられます。特に寺山修司監督による『田園に死す』は、彼の唯一の主演作として記憶されています。

彼は東映作品の常連俳優となり、工藤栄一監督の『十三人の刺客』で演じた松平斉韶役で知られるようになりました。この役柄は「酷薄な馬鹿殿さま」として、その後の時代劇において彼の当たり役となり、演技指導でもそのスタイルが要求されることも多かったとされています。

テレビ[[ドラマ]]でも多くの人気作品に出演し、『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』シリーズ、『必殺シリーズ』など、多数の作品に悪役として登場。時には善人役にも挑戦し、終盤で本当は善人だったというトリック的な演技を通じて視聴者の強い印象に残りました。『ご存知!女ねずみ小僧』では準レギュラーとして登場し、独特のオーバーリアクションを交えた演技で好評を博しました。

私生活

プライベートにおいては、彼は「べらんめぇ」口調の飾り気のない性格で知られ、俳優としての生活ではなく自分自身を大切にした姿勢がうかがえます。また、俳優としての活動に加え、夫人が作成した登山帽（チロリアンハット）を愛用するなど、演技の際には特に髪型にこだわらない自由なスタイルが印象的でした。

晩年と死

1994年3月16日、菅貫太郎は神奈川県川崎市にある自宅前でオートバイと接触し、その際に頭部を強打しました。入院後、脳挫傷のため3月22日に59歳で死去。彼の死は3月23日に家族による密葬が行われ、3月25日に各紙で訃報が報じられました。

菅貫太郎の演技は今でも多くのファンに愛され続けており、彼のキャリアは日本の映画とドラマの歴史に深い影響を与えました。

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