真宗長生派

真宗長生派

真宗長生派（しんしゅうちょうせいは）は、浄土真宗から派生した宗教団体である。本山は横浜市の長生寺（生麦1-7-10）で、宗教法人の資格を持ちながらも、整体治療や施術者団体の側面が強い特徴を持つ。

概要

この教団は、真宗大谷派の僧侶であった柴田純宏（釋長生）が開祖である。1931年に彼は「霊肉一体の救済」を掲げて「脊椎矯正法」を考案し、これに基づく整体治療法を「長生療術」と名づけて全国で展開していった。その後、柴田を慕う信徒や僧侶が増加し、1949年には宗教法人「長生教団」が設立された。柴田の死後は、第2世の柴田阿やを中心に、整体師を養成する取り組みが進められる。その一環として、モダンな整体技術を教育する専門学校「長生学園」が設立されるに至った。

長生派の教義は「信心を決定して長生療術を施し、霊肉を救済して社会福祉の向上に貢献する」とされ、信仰はもちろん、病を抱える人々への具体的な治療が重視されている。これにより、信徒の心の救済のみならず、地域社会にも貢献することを目指している。時にユニークな形態を持つこの教団は、同じ信念を共有する患者や施術者を中心に着実に信仰を広げ、本山の長生寺を基にした宗教活動に力を入れている。法要や年中行事は真宗大谷派に則り、盛大に行われますが、他の寺院（末寺）の存在は見受けられない。

長生医学

長生派は、開祖・柴田の弟子たちによって民間の施術院を全国的に展開した。その結果、彼の考えた「長生療術」は全体的に体系化され、現代医学の要素も取り入れた「長生医学」として発展した。長生医学は、「三位一体の治療（脊椎矯正法・精神療法・プラーナ療法）」を掲げ、カイロプラクティックやオステオパシー、またトランスパーソナル[[心理学]]など、さまざまなアプローチを含む。しかしながら、長生医学はあくまで代替[[医療]]として位置づけられており、一般的な医学エビデンスに対しては慎重な姿勢を取っている。また、浄土真宗の特徴として祈祷的なアプローチには否定的であり、心身に関する治療方法としての精神療法には、科学的な知見を積極的に取り入れる傾向が見られる。

長生派では開祖の言葉として「信仰は自由」があり、これは患者や生徒に対して信仰を強制しない姿勢を表している。

長生学園

「長生療術」の師匠の教えを受けた施術者が多い中、後継者を体系的に育成するためには専門的な教育機関が必要とされ、1956年に厚生大臣認可の専門学校「長生学園」が設立された。初代学園長には医学の専門家、桧物一三が迎えられ、教育体制の確立が進められた。現在、長生学園は東京都大田区に位置し、1975年に長生寺の付属学校としても運営されている。

「長生学園」では、あん摩・マッサージ・指圧科の昼夜開講が行われ、入学には高等学校の卒業または同等の資格が必要となる。3年間の学びを経て、国家試験を受ける資格が与えられる。カリキュラムでは、整体技術にとどまらず、精神医学や東洋思想などの科目も取り入れられている。学生たちは定期的に勤行を行い、信仰の風土の中で技能を高めていく。

卒業生は治療院などで職を持ち、全国各地に展開する「○○長生館」の多くは、長生学園出身者で占められている。 OB・OG会としての「長生医学会」もあり、研究論文の発表や普及活動を行っている。

注意事項

「長生学園」と千葉県の同名の学校法人とは無関係である。

もう一度検索