真理の友教会

真理の友教会について

真理の友教会（みちのともきょうかい）は、日本の新宗教で、1950年に和歌山県和歌山市にて宮本清治によって設立されました。この教会は、教祖の死や信者による悲惨な事件があったことから注目を集めています。宮本清治は1923年から1924年に和歌山県名草地区で生まれ、国鉄に勤務していました。彼は、教祖としての役割を担いながら信者を増やしていきました。

宮本は、国鉄に務めていた傍らで教義を築いていきました。彼の教えは、エホバを主神とし「正しい人生を歩むこと」や「死後の天国での救い」を基本に据えています。この教義に基づき、信者たちは信仰を深め、1952年には宗教法人格を取得する運びとなりました。教会の教義は教典という形で残されず、「教祖の言葉」が主要な教えとされていました。

教会の集会所には観音像が設置されており、このことから仏教的な要素も見受けられます。宮本は1976年に自宅を移し、その後しばらくは教えを講じつつ、数人の信者と共に生活をしていました。1986年、彼の死去時には信者数は約120人から80人とされ、その中には多くの親族が含まれていました。

集団焼身自殺の悲劇

教祖の宮本清治が亡くなった1986年10月31日、その夜に集会所で「お別れ会」が行われました。翌日、浜の宮海岸で宮本の妻、義母、養女を含む7人の女性信者の焼死体が見つかります。この事件は、教会に所属する信者たちの集団焼身自殺とされています。

自殺した7人は宮本の自宅で集団生活をし、教会の運営を行なっていました。また、彼女たちは「神の花嫁」と呼ばれ、特別な敬意をもって扱われていました。その中の5人は未婚の若い女性で、教会に幼少期から通っていた親族関係にある人々です。彼女たちの遺書には、「先生のお世話をするのが、神の花嫁の仕事。先生と天国へいきます」という内容が記されていましたが、これらの遺書は事件の3年前に書かれたものとされています。

事件後、7人の合同葬儀が行われ、浄土宗の僧侶が仏式で読経を行いました。彼女たちの遺骨は、教会の集会所の庭に設置された観音像の下に納められ、その後の祭壇には、教祖宮本清治やイエス・マリアの肖像と共に「神の花嫁」たちの写真が飾られることになりました。

この悲劇的な事件の後、宮本の教えは一部の信者によって引き継がれ、「神の花嫁」の一人の兄が後任として宗教法人の代表役員に就任しました。真理の友教会は、その教義と事件によって今もなお多くの人々に記憶されている宗教団体の一つとなっています。信者たちは深い信仰と悲しみを抱えながらその教義を受け継いでいくのです。

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