真田十勇士 (NHK人形劇)

真田十勇士

『真田十勇士』（さなだじゅうゆうし）は、1975年4月7日から1977年3月25日までNHK総合テレビで放送された人形劇で、全445回が行われました。この番組は、柴田錬三郎による原作小説を基にしており、重要なエピソードの後には著者自身による解説も行われていました。しかし、放映当時NHKでは録画テープを上書きして使用していたため、現在視聴可能なエピソードは限られています。具体的には、第1回、第434回、第435回、第443回の4回分のみが現存しています。また、第435回は番組の唯一のエンディングが収録されたエピソードでもあります。

ストーリーの概要

物語は、猿飛佐助を主役に据え、武田勝頼の遺児としての彼の人生を辿ります。武田家の滅亡や戸沢白雲斎の下での忍術修行を経て、十勇士たちと共に真田家を支えていく様子が描かれています。また、大坂の陣では佐助たち十勇士が豊臣秀頼を蝦夷地に逃がすために尽力します。

主要キャラクター

人形劇版では、原作から若干のキャラクター変更がありました。新たに登場したメンバーには、高野小天狗、呉羽自然坊、真田大助の3人が含まれ、キャラクター設定も独自のものになっています。また、原作に比べて霧隠才蔵は金髪のイギリス人として描かれ、中国人の筧十蔵という設定が追加されています。

現存エピソードの詳細

第1回

物語は天正10年の早春、信州上田城から始まります。真田幸村が15歳の誕生日を迎え元服し、父・真田昌幸と共に天文を見ていると、幸村の杯に特別な星が映し出されます。昌幸はその光景を見て、幸村に10人の家臣が出現することを予言します。この一連の出来事が、後の真田十勇士の誕生のきっかけとなります。

第434回

この回では、大坂の陣の緊迫した状況が描かれています。夢影が千姫に化け本陣に潜入し、誤解から坂崎出羽守に刺されそうになります。また、三好清海が千姫のために行動を起こす様子も描かれ、物語の緊張感を高めます。

第435回

家康と夢影の再会が描かれ、清海の逆上からの事件が起こります。物語のクライマックスでは夢影と清海が共に運命を共にし、逃亡しますが、夢影は最後に佐助の名を叫び亡くなります。

第443回

大坂城の陥落後、清海は豊臣秀頼らを北海道の知床岬に導く任務に就き、多くの冒険の末に無事再会を果たします。このエピソードではキャラクター間の絆や成長が際立ちます。

音楽と出版物

この人形劇の音楽は柳沢剛が担当し、主題歌や挿入歌も用意されました。後にこの作品に基づいた書籍や漫画も出版され、多様なメディアで展開されることになりました。

『真田十勇士』は、独自のアプローチで描かれた日本の歴史劇であり、今も多くの人々に親しまれています。

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