真空の中でも嵐は起こる

『真空の中でも嵐は起こる』

『真空の中でも嵐は起こる』（しんくうのなかでもあらしはおこる）は、日本の孤高のミュージシャン、シンガーソングライターである尾崎豊が発表したポエトリー・リーディング・アルバムです。その英題は『A STORM IS RAGING EVEN IN A VACUUM』と冠されています。この作品は、彼の没後、2006年3月24日にソニー・ミュージックレコーズよりリリースされました。

作品の背景と内容

このアルバムは、尾崎豊自身がパーソナリティを務め、かつて東海ラジオで放送されていたラジオ番組『誰かのクラクション』を基に制作されました。この番組は1985年10月から1986年3月、そして1986年10月から1987年3月にかけてオンエアされており、その中で尾崎本人が創作した詩を朗読するコーナーがありました。

『真空の中でも嵐は起こる』は、そのラジオ番組で本人が語った詩の中から、約50編が厳選されて収録されています。単なる朗読にとどまらず、それぞれの詩には新たにオーケストラアレンジが施された音楽が加えられており、詩の世界観をより豊かに、そして壮大に表現しています。詩と音楽が融合した、尾崎豊作品の中でも特異な位置を占めるアルバムと言えるでしょう。

作品全体のプロデュースは、尾崎の音楽活動を長年支え続けたプロデューサー、須藤晃が手掛けました。また、詩に付随する楽曲のアレンジは、須藤晃の息子であり編曲家として活躍するTomi Yoが担当しており、親子二代にわたるタッグによって制作されています。

収録曲

このアルバムには、尾崎豊が紡いだ全10編の詩が収録されています。いずれも作詞は尾崎豊自身によるものです。

狂想曲 - PINK TABLETS
四月の雨 - APRIL RAIN
耳鳴り - VOICE IN THE EARS
ギザギザのツメ - JAGGED NAIL
発火点 - IGNITION POINT
本能わずかな純情 - CRAZY BOY
リンダ - A SONG ABOUT LINDA
冬の動物園 - WINTER ZOO
幸福の意味 - HAPPINESS
瞬き - BLINK

関連作品

『真空の中でも嵐は起こる』のリリースから約1ヶ月後となる2006年4月26日には、本作と同様にポエトリー・リーディング形式の続編アルバム『巨人の輪郭』がリリースされています。

また、収録曲のうち「四月の雨」は、2011年に発表されたベストアルバム『I LOVE YOU〜BALLAD BEST』にも収録されています。

このアルバムは、尾崎豊の詩人としての一面に光を当てるとともに、彼の言葉がオーケストラサウンドと融合することで生まれる新たな感動を提供する作品であり、ファンにとっては彼の表現世界を深く知る貴重な音源となっています。

外部リンク

* 尾崎豊公式ホームページ・ディスコグラフィー

（注記：上記の外部リンクは、情報源に記載されていた項目への言及ですが、実際のURLは省略しています）

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