真興 (儂智高)

真興（しんこう）は、中国宋代にチワン族の英雄、儂智高（のう ちこう）が自立政権を樹立した際に使用した年号です。1041年から1049年までの期間に使用されました。

儂智高は、広源州（現在のベトナム・カオバン省一帯）を拠点に勢力を拡大し、宋朝からの独立を目指しました。彼は1041年に大暦国を建てて皇帝を称し、「真興」という年号を定めました。この年号の使用は、彼の政権が宋朝とは異なる独自の正統性を持つことを主張するものでした。

真興の時代、儂智高は広西地方を中心に軍事的な活動を活発化させました。彼は邕州（現在の広西南寧市）を攻略するなど、宋朝に対する抵抗を続けました。しかし、宋朝もこれを黙認せず、狄青（てきせい）率いる討伐軍を派遣しました。1049年、儂智高は狄青との戦いに敗れ、大暦国は滅亡し、真興の年号も終わりを迎えました。

真興の年号は短期間しか使用されませんでしたが、チワン族の歴史において重要な意味を持っています。それは、彼らが宋朝の支配下から独立しようとした意志を示す象徴であり、儂智高の英雄的な行動とともに、チワン族の民族意識を高める役割を果たしました。

真興の年号は、中国の元号史においても特異な存在です。それは、漢民族以外の民族が建てた政権で使用された年号であり、中国の多様な歴史を反映しています。また、真興の年号は、東南アジアの歴史とも深く関わっています。儂智高の活動は、ベトナムの李朝にも影響を与え、李朝は彼を支援しました。真興の時代は、東南アジアの国際関係においても重要な時期でした。

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