真貫流

真貫流剣術の概要と歴史

真貫流（しんぬきりゅう）は、奥山左衛門大夫忠信によって創立された剣術流派であり、その名称は心抜流、心貫流、信抜流といった異なる表記でも知られています。この流派は日本の武道において特に広島藩で普及し、その伝統は現代にも受け継がれています。

開祖・奥山忠信の伝承

真貫流の開祖である奥山忠信については、いくつかの伝承が存在しています。彼は上泉信綱の弟子であったと言われる一方、上泉自身が師匠であった、もしくは丸目長恵や浅山一伝斎の弟子であったという情報もあり、開祖の実像を知ることは難しい状態です。このように、彼に関する記録や韻文は多岐にわたり、伝承の中で性質が変化してきたと考えられています。

真貫流の伝播

真貫流が広島藩に伝わった背景には、忠信の後継者である永山大学が三原浅野家に仕官したことがあります。このような歴史的な経緯が、流派の普及に寄与したと言えます。なお、信抜流という表記が使用されるようになったのは、永山大学からの影響とされています。

現在、真貫流の正統的な伝承は広島県三原市に根付いており、しかしその内容は他の流派とは異なる独自の形態を取っています。特に居合術の要素が大部分を占めており、元々の真貫流からは変化が見られます。

現存する伝系

真貫流は、広島藩で長い歴史を持つ流派ですが、その流派に関する資料が原爆によって焼失したため、詳細な伝承については多くの不明点が存在します。現在、真貫流の宗家は第十九代の川瀬一道であり、彼は川瀬機工株式会社の代表取締役社長でもあります。この流派は、佐分利流槍術と併伝される形で信抜流居合剣法として現在も継承されています。

真貫流の系譜

真貫流の系譜は以下のようになっています：

• - 奥山左衛門大夫忠信（初代）
• - 長尾美作守鎮家（二代）
• - 益永軍兵衛尉盛吉（三代）
• - 益永軍兵衛尉盛次（四代）
• - 永山大学入道信楽（五代）
• - （六代～十六代）
• - 吉永俊二（十七代）
• - 川瀬元一（十八代）
• - 川瀬一道（十九代）

この系譜は、真貫流の伝承の長い歴史を物語っており、後世にわたって武道が脈々と受け継がれていることを示しています。

居合術の形名称

真貫流には、居合術の形も多く存在します。主なものには以下のような形が含まれます：

• - 面当常
• - 山東
• - 日西
• - 四方詰
• - 柳風
• - 瀧下
• - 無之剣
• - 飛雲
• - 空撫
• - 追刺
• - 裏刀切
• - 廻刀車
• - 斜撃
• - 車冠
• - 席落
• - 尺咫

このような多彩な形は、真貫流独特の技術や心の在り方を反映しています。

関連項目

• - 三原浅野家
• - 澁川流
• - 平山行蔵

真貫流は、その長い歴史と独自の技術体系により、広島の武道文化の一部として重要な位置を占めています。また、現代においても多くの愛好者によってその伝統が守られています。

もう一度検索