眼圧

眼圧についての理解

眼圧（がんあつ）は、眼球内に存在する眼内液の圧力を示し、大気圧よりもわずかに高い値を持つことが特徴です。眼圧は通常、mmHg（ミリ水銀柱）を単位として表されます。その値が異常となる場合の一つに、緑内障があります。

定義の明確化

眼圧の正確な表現は眼内圧（intraocular pressure）であり、眼圧は眼球の内部壁の圧力を指します。眼内圧は、実験動物を用いたマノメーターでの直接測定が可能ですが、人間においては、間接的に測定を行います。このため、医療現場で用いる「眼圧」という用語は、眼球壁の測定値であると同時に実際の眼内圧を含む広義の解釈がされることが多いです。眼圧の英訳には「ocular tension」と「intraocular pressure」が存在します。

眼内圧の構造

眼内圧は、目の中にある液体の量や性質によって調整されます。この液体は、リンパ液の一種である房水です。房水は毛様体によって生成され、最初は後房に放出され、そこからひいては前房に流れ込みます。前房内の房水は、虹彩と角膜の接触部分にある隅角で排出され、シュレム管を経て眼球外に放出されます。このように、房水の生成と排出のバランスによって眼内圧が維持されています。

眼圧の測定方法

実験動物から眼内圧を測定する際は、マノメーターの使用が基本ですが、ヒトの測定にあたっては眼圧が角膜にかかる圧力を基準に計測します。眼圧測定には非接触型の空気眼圧計や、圧平眼圧計（一般的な例としてゴールドマン眼圧計）を使用します。正常なヒトの眼圧は、10から21 mmHgとされています。眼圧と眼内圧は基本的に相関関係がありますが、眼球壁の特性によって測定結果に差異が出ることもあるため注意が必要です。

眼圧の変動要因

眼内圧は血圧とは異なるものですが、特定の条件下では関連が見られることがあります。例えば、拡張時の血圧が高い人や糖尿病患者の眼圧値が上昇するとの報告があります。また、眼圧は日内変動や運動の影響も受けることが確認されています。

関連疾患と考慮事項

眼圧の異常は、緑内障などの疾患につながる可能性があり、網膜や角膜といった他の目の構造とも密接に関連しています。従って、眼圧の測定や管理は、視覚の健康にとって重要な要素となります。このような知識を持つことで、自身の目の健康をより良く理解し、必要なケアを行うことができるでしょう。

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