瞬膜

瞬膜とは

瞬膜（しゅんまく）は、まぶたとは異なり水平方向に動くことで眼球を守る膜であり、英語では「Nictitating membrane」と呼ばれています。この膜は透明または半透明であり、動物に多く見られる特徴です。瞬膜は「瞬」という字が示す通り、まばたきに関連する機能を有しており、第三眼瞼（third eyelid）とも称されます。

瞬膜をもつ動物

瞬膜の発達は種によって異なります。両生類や魚類（特にサメの仲間）、鳥類、爬虫類は顕著に瞬膜が発達していますが、哺乳類の場合、多くの種が瞬膜を痕跡器官として持っています。霊長類の中には瞬膜が見られるものもいますが、ほとんどの種はこの機能を失っています。しかし、ラクダやホッキョクグマ、ツチブタ、アシカやアザラシなど、特定の哺乳類は完全な瞬膜を保持しており、特に鳥類は瞬膜を自由に動かすことが可能です。

ヒトの瞬膜

人間の場合、半月襞（はんげつひだ）と呼ばれる組織が他の瞬膜に相当する器官であると考えられています。この半月襞は、霊長類のほとんどに見られますが、キツネザルやロリスの一部の種には十分に発達した瞬膜が存在します。

瞬膜の機能

瞬膜の主な役割は、眼球を保護することです。上下のまぶたとは異なり、瞬膜は水平に動き、目を覆い、外部からの刺激から守ります。半透明の膜である瞬膜は、特定の動物では透明になることがあります。たとえば、ビーバーやマナティは水中で眼球を保護するために瞬膜を閉じ、またアシカは砂埃から目を守るために陸上で瞬膜を使用します。さらに、猛禽類では、雛に餌を与える際に瞬膜を閉じて目を保護します。

瞬膜はまた、眼に対する刺激（風など）への反応として反射的に閉じることがあり、この反射を利用した実験が多く行われています。また、ハヤブサは急降下中に瞬膜を頻繁にまばたき、眼球を潤し、ゴミが付着しないようにしています。

チェリーアイとは

犬や猫には瞬膜があり、通常は目に見えませんが、瞬膜が常に見える場合は体調不良の兆候かもしれません。健康な犬や猫も、寝ている間に目をゆっくり開けたり、目の回りを押したりすることで瞬膜を確認することができます。しかし、一部の犬種は瞬膜が逸脱して「チェリーアイ（cherry eye）」と呼ばれる状態になることがあります。

瞬膜の解説を通じて、さまざまな動物における目の保護機能の重要性が浮き彫りになりました。これ以外にも瞬膜には多くの興味深い特徴があり、動物の生態を理解する手助けとなります。

もう一度検索