瞿佑

瞿佑（くゆう）は、中国の元末期から明の時代にかけて活躍した文人であり、著作家としても知られています。彼の字は宗吉（そうきつ）、号は存斎（ぞんさい）といい、錢塘（せんとう）の出身です。

生涯

瞿佑の生没年は1347年から1433年とされています。この生年の根拠は『重校剪燈新話後序』に、没年の根拠は『列朝詩集小傳』および『浙江通志』にあります。

『列朝詩集小傳 乙集 瞿長史佑』には、彼が14歳の頃のエピソードが収録されており、若い頃から詩人としての名声があったことが伺えます。その才能は早くから開花し、文学の世界で注目を集めていたことが分かります。

著作

瞿佑が75歳の時に自筆した『重校剪燈新話後序』の前半には、保安流謫（ほあんるたく）の間に失われたものを思い出しながら列挙した著書名が記されています。この記述から、彼が多くの著作を手がけていたことが分かります。

しかし、これらの著作のほとんどは散逸してしまい、現存していません。その中で、「紀事」に分類される『剪燈録（せんとうろく）』の残編を集めた『剪燈新話（せんとうしんわ）』は現存しています。また、「作詩」に分類される『香臺集（こうたいしゅう）』、「填詞」に分類される『餘清曲譜（よせいきょくふ）』は、その一部が現存しています。さらに、「攻文」に分類される『存齋類編（そんざいるいへん）』に含まれる『帰田詩話（きでんしわ）』も現存しており、彼の文学的な業績を今に伝えています。

現存する作品を通して、瞿佑の文学世界に触れることができます。彼の作品は、当時の社会や文化、人々の生活を生き生きと描き出しており、貴重な歴史的資料としても評価されています。


瞿佑は、元末から明初にかけての激動の時代を生き、その文学的才能を通して後世に大きな影響を与えました。彼の作品は、中国文学史における重要な位置を占めています。

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