矢作直樹

矢作直樹：医学、思想、そして政治活動に跨る多様なキャリア

矢作直樹氏は、1956年神奈川県横浜市生まれの医学者、医師、そして政治活動家です。東京大学名誉教授という肩書きからも分かるように、医学界における彼の貢献は多大なるものがあります。専門は救急医学と集中治療医学で、博士（医学）の学位を持ちます。

医学研究と教育への貢献

金沢大学医学部卒業後、麻酔科、救急・集中治療、内科、手術部など、幅広い臨床経験を積みました。その後、富山医科薬科大学助手、国立循環器病センターレジデントを経て、国立循環器病センター外科系集中治療科医員、医長を歴任。1993年には滋賀医科大学にて博士（医学）を取得し、その研究成果は医学界に貢献しました。「犬における静脈空気塞栓の肺通過域値に及ぼすハロセン、フェンタニール、ケタミンの影響」というテーマは、彼の専門性の高さを示すものです。

1999年には東京大学工学部精密機械工学科教授、2001年には東京大学医学部救急医学分野教授、東京大学医学部附属病院救急部・集中治療部部長・救命救急センター長と要職を歴任しました。長年に渡る東京大学での教育・研究活動は、多くの後進の育成に繋がったことは間違いありません。2016年には東京大学を退官し、名誉教授に就任しました。

思想と執筆活動：死生観と日本文化への考察

矢作氏の活動は医学のみに留まりません。2011年に上梓した『人は死なないーある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索』は、死後世界の存在を主張する内容で18万部ものベストセラーとなり、彼の出版活動を本格的にスタートさせました。その後の『おかげさまで生きる』は30万部を超える大ヒットとなり、広く読者に支持されました。

彼の著書は医学的な視点だけでなく、哲学、宗教、日本文化など多様な分野に及びます。例えば、『天皇』や『天皇の国 譲位に想う』『日本歴史通覧 天皇の日本史』といった著作からは、日本文化、特に天皇制に対する深い洞察が読み取れます。これらの著作は、単なる学術書ではなく、多くの人々の心に響く、思想的なメッセージを込めた作品であると言えるでしょう。

彼の著作は多岐に渡り、『「あの世」と「この世」をつなぐお別れの作法』、『医師が考える死んだらどうなるのか? 終わりではないよ、見守っているよ』、『魂と肉体のゆくえ 与えられた命を生きる』など、死生観をテーマにしたものから、『「いのち」が喜ぶ生き方』、『ご縁とお役目 臨床医が考える魂と肉体の磨き方』など、人生の生き方について考察した作品まで、多様なテーマを扱っています。これらの著書を通して、彼は多くの読者に深い思考と人生観を提供し続けています。

政治活動への関与

矢作氏は、医学研究や執筆活動と並行して政治活動にも関与しています。2016年の参議院議員通常選挙には日本のこころから比例区で出馬しましたが落選。近年は、参政党のイベントへの参加や神谷宗幣代表の動画出演、参政党DIYスクールの講師を務めるなど、積極的に活動しています。COVID-19ワクチン接種に関する質問書にも協力者として名を連ねるなど、政治的発言も積極的に行っています。

まとめ

矢作直樹氏は、医学者、医師、政治活動家、そして作家という多様な顔を持つ人物です。医学界への貢献、数々のベストセラーを生み出した執筆活動、そして政治活動への参入と、彼の活動は多岐に渡り、日本の社会に多大な影響を与え続けています。彼の今後の活動にも注目が集まります。

もう一度検索