矢口麓蔵

矢口麓蔵（やぐち ろくぞう）

日本の外交官。

人物・経歴

山形県出身。旧制山形県立鶴岡中学校（現山形県立鶴岡南高等学校）を経て、1924年に神戸高等商業学校（現神戸大学）本科を卒業。1931年に外務省に入省。

戦後、特別調達庁事業局次長兼経営部長、連絡調整中央事務局第三部長などを経て、外務省管理局入国管理部長に就任。その後、外務省移住課参事官として、戦後の重要な課題であった移民政策の策定に携わりました。

1955年、日本とカンボジアの間で平和条約が締結されると、矢口は初代外務省移住局長に就任。カンボジアへの農業労働者移民に関する大綱について合意を取り付けるなど、移民政策を積極的に推進しました。その間、日本の農業問題と海外移民による労働力確保の双方の課題解決を目指しました。

1957年からは、日本人移民を送り出す計画があったチリ国へ、駐箚特命全権大使として赴任。チリにおける移民受け入れ体制の整備や、両国間の友好関係の強化に尽力しました。1962年には、キューバ国駐箚特命全権大使に任命され、外交官としてのキャリアを積みました。

1967年には、第31回衆議院議員総選挙に自由民主党から山形県第2区で出馬しましたが、落選しました。その後も、1971年には亜東親善協会の設立発起人となるなど、外交分野への貢献を続けました。

矢口麓蔵は、激動の時代において、外交官として移民政策や国際関係に深く関わり、日本の発展に寄与した人物と言えるでしょう。

著書

* 『進駐軍設営関係規定と解説』霞關會、1947年

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