第31回衆議院議員総選挙

第31回衆議院議員総選挙の概要

第31回衆議院議員総選挙は、1967年1月29日に日本で実施されたもので、この選挙は国会の議員を選出する重要な機会となりました。前年から続いた黒い霧事件による政界の混乱を背景に、内閣総理大臣の佐藤榮作は自身の政権の安定を図るために衆議院を解散し、この選挙を行うこととなりました。

選挙の背景

黒い霧事件は、政界における不正や腐敗を示唆する一連の問題で、多くの国民が政権に対して疑念を抱きました。このような状況において、佐藤は政権の求心力を回復するため、解散を決意しました。解散の名は「黒い霧解散」と呼ばれました。

選挙の公示は1967年1月8日に行われ、投票は1月29日に実施されました。選挙制度は中選挙区制が採用されており、改選数は486議席であり、定数は19増加しました。

選挙結果の概要

結果として、自民党は安定した多数を保持しましたが、特に公認候補の得票率は初めて5割を下回ることとなり、議席はわずかに減少しました。これは必ずしも自民党にとって好ましい結果ではありませんでしたが、逆境の中での善戦と見なされることもありました。

社会党にとっても、議席はほぼ維持したものの、事前の期待には届かず、「敗北声明」を発表せざるを得ませんでした。新たに公明党が衆議院に進出し、25議席を獲得したことは、多党化の進行を象徴しています。

投票と有権者の動向

投票率は73.99%であり、これは前回の選挙よりも2.85%上昇しました。男女別に見ると、男性の投票率は74.75%、女性の投票率は73.28%でした。これにより、選挙に参加した有権者数は6299万2796人となり、満20歳以上の日本国民が投票権を行使することができました。

この選挙では、合計101名が初当選を果たしましたが、その内訳は自民党に27名、社会党に31名、民社党に8名、公明党に25名、日本共産党に1名という状況でした。また、無所属では9名が当選し、各党間の競争が激化している様子が浮き彫りになりました。

特記すべき選挙結果

最年少の当選者は山口敏夫で26歳5か月、最高齢は自民党の松村謙三で84歳0か月でした。最多得票を得たのは藤山愛一郎で171,667票を記録しました。一方で、最少得票者は伊能繁次郎で31,775票で当選しました。

選挙後の国会の動き

選挙後は第55回国会が召集され、各種の議長や副議長も選出されました。自民党の石井光次郎が議長に選ばれ、政権の安定を果たしました。また、佐藤栄作総理大臣は再指名され、さらなる政権運営が続けられました。

このように第31回衆議院議員総選挙は、政界の変化を印象付けただけでなく、多党化の進展や各党の動きが見受けられた重要な選挙として歴史に刻まれることとなりました。

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