矢吹純

矢吹 純（やぶき じゅん）

1991年4月17日、福島県石川郡浅川町に生まれた日本の元女子プロボクサー。プロキャリアを通じて協栄ボクシングジムに所属し、初代日本ミニフライ級王者となった。異名「あしたのジュン」の通り、前進を止めないファイトスタイルで知られ、プロ戦績11戦全勝（6KO）という輝かしい記録を残して現役を退いた。

剣道からボクシングへ

幼少期から剣道に励み、高い集中力と精神力を培った。福島県立白河旭高等学校を卒業後、茨城県つくば市の介護施設に勤務。社会人となってからも剣道を続け、県大会で優勝するなど、競技者としての実績を重ねた。

プロボクシングでの軌跡

2014年、新たな挑戦としてボクシングへの転向を決意。同年11月18日、プロデビュー戦となる高木千愛との試合に臨み、TKO勝利を収め、幸先の良いスタートを切った。

キャリアを積み重ねる中で、2017年3月13日には東洋太平洋女子ライトフライ級タイトルマッチの前哨戦として、緒方汐音と対戦し判定勝利。同年7月10日には、初代日本ミニフライ級王座を決定するためのトーナメント準決勝に進出。下岡由美子との一戦では、5ラウンドTKOによる勝利を飾り、決勝への切符を手にした。

迎えた2017年11月20日、初代日本ミニフライ級王座決定戦の舞台で小村楓香と対戦。激しい攻防の末、判定勝利を収め、自身にとって初となるプロタイトル、初代日本ミニフライ級王座を獲得した。これは、協栄ジム所属の女子選手としては、OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者の藤本りえ、同スーパーバンタム級王者の高野人母美に続く3人目の快挙であった。

タイトル獲得後と引退

日本王座獲得後、矢吹は防衛戦を希望したが、ランキング上位選手からの挑戦表明が得られず、防衛戦の機会に恵まれなかった。このため、2018年にはタイ人選手とのノンタイトル戦を2度行った。

しかし、度重なる練習や試合の影響か、関節の負傷や不整脈が判明。これらの健康上の問題から、プロボクサーとしての活動継続が困難となり、2019年に現役引退を発表した。

プロキャリアを通じて11戦を戦い、その全てで勝利（うち6度のKO勝利）を収めるという、極めて珍しい全勝無敗のままリングを去るという形で、約5年間のプロボクシング生活に幕を下ろした。

引退後の活動

プロボクサー引退後も、矢吹の格闘技への情熱は衰えなかった。2021年4月30日にはX（旧Twitter）アカウント、同年5月1日にはYouTubeチャンネルを開設し、精力的に情報発信を開始。その中で、将来的には立ち技格闘技であるK-1のリングを目指す意向があることを明らかにし、ファンを驚かせた。

戦績・獲得タイトル

プロ戦績: 11戦11勝（6KO）
獲得タイトル: 初代日本ミニフライ級王座（防衛0=返上）

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