矢島杉造

矢島杉造：朝鮮総督府官僚、その生涯と家系

矢島杉造（やじま すぎぞう）は、1889年（明治22年）5月29日に生まれ、1948年（昭和23年）5月9日に没した、朝鮮総督府の官僚です。彼の生涯と、彼を取り巻く家族、特にその家系について詳しく見ていきましょう。

経歴

矢島杉造は新潟県長岡市の出身です。1913年（大正2年）に高等文官試験に合格し、翌1914年（大正3年）に東京帝国大学法科大学政治科を卒業しました。卒業後、朝鮮総督府に入り、試補としてキャリアをスタートさせました。

その後、内務部第二課長、内務局社会課長、地方課長といった要職を歴任し、京畿道内務部長、全羅南道知事などを務めました。1935年（昭和10年）には農林局長に就任し、朝鮮総督府における重要な役割を果たしました。

1937年（昭和12年）に官僚を退官した後は、実業界に転身し、朝鮮林業開発株式会社の社長に就任しました。さらに1939年（昭和14年）に同社を退任した後、朝鮮米穀市場株式会社の社長を務めました。

1948年（昭和23年）5月9日、東京都練馬区で生涯を終えました。彼の宗教は真言宗であり、趣味はゴルフでした。

家族

矢島家の家族構成は非常に興味深く、多岐にわたる分野で活躍した人物を輩出しています。

父・矢島専造: 矢島組の代表であり、石油採掘・原油販売を手がけました。庄屋の子として生まれ、質屋の養子となりますが、後に山師として油田採掘に成功し、財を成しました。
兄・矢島富造: 新潟県の多額納税者であり、住友合資会社東京支店長を務めました。東京商業高等学校卒業後、住友に入り、多数の企業の役員を兼任しました。
兄・矢島吉造: 奥羽石油の代表取締役であり、石油関連の著書もあります。
妻・タケヨ: 良寛研究者である西郡久吾の長女です。
* 伯父・大橋一蔵: 教育者であり、開拓者でもありました。北越殖民社を創始し、北海道開拓に尽力しましたが、1889年に事故で亡くなりました。

矢島家の親族には、高橋豊夫（東大数学科卒業生第一号）、志賀直温、梶山又吉、大塚末松、二宮純一などがおり、学術、経済、官僚など、様々な分野で活躍した人物が名を連ねています。

まとめ

矢島杉造は、朝鮮総督府の官僚として、また実業家として、激動の時代を生きました。彼の家系は、新潟の地で財を成した矢島組から始まり、多岐にわたる分野で社会に貢献した人々を輩出しました。彼の生涯と家族の歴史は、日本の近代史を彩る貴重な一部と言えるでしょう。

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