矢車草 (みんなのうた)

「矢車草」は、1974年6月から7月にかけてNHKの音楽番組「みんなのうた」で放送された楽曲です。作詞は名取和彦、作曲は湯山昭、歌は芹洋子が担当しました。

この楽曲は、ヤグルマギク（別名：ヤグルマソウ）を題材とし、歌詞を通して花の咲く季節である初夏の美しい情景や、過ぎ去った日々への懐かしい想いを情感豊かに歌い上げています。聴く人の心に優しく寄り添うような、温かいメロディーと歌詞が魅力です。

「みんなのうた」で放送された際、映像はソフトフォーカスの実写で制作されました。ヤグルマギクが咲き誇る美しい花畑、そこに佇む女性、そして遠くを走り去る鉄道の様子などが、幻想的に映し出されています。これらの映像は、楽曲の持つノスタルジックな雰囲気をより一層引き立て、視聴者の心に深く残りました。

しかし、1974年6月から7月の放送後、映像・音源は失われてしまい、長らく再放送が叶いませんでした。多くの人々にとって、「幻の楽曲」となっていたのです。ところが、2011年に始まった「みんなのうた発掘プロジェクト」によって、奇跡的に映像・音源が発見されました。このプロジェクトは、視聴者からの情報提供などを通じて、過去に放送された「みんなのうた」の映像・音源を探し出すというものでした。

そして、2012年3月17日に放送された「みんなのうた発掘スペシャルVOL.2」において、「矢車草」は38年ぶりに再放送されることとなりました。長年の時を経て再びテレビで流れる「矢車草」の映像と歌声は、多くの視聴者に感動を与えました。映像・音源を提供したのは、作曲者の湯山昭自身でした。

なお、キングレコードから発売された『みんなのうた』関連のLP・CDには、芹洋子とは歌い手が異なるカバー版が収録されています。これらのカバーバージョンもまた、それぞれの魅力を持っています。

「矢車草」は、「NHKみんなのうた 第16集」（日本放送出版協会、1980年（第11冊）、5 - 7頁）にも掲載されています。この楽譜集には、楽曲の歌詞や楽譜が収録されており、楽曲への理解を深めることができます。

関連情報

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