矢野俊比古

矢野俊比古について

矢野俊比古（やの としひこ）は、1924年1月1日に東京都神田区で生まれ、2013年11月30日に肺炎で亡くなった日本の政治家および通産官僚です。彼は昭和から平成の時代にかけて、多くの要職を歴任し、特に経済政策の分野で重要な貢献をしました。

学歴と初期のキャリア

矢野は府立四中、一高を経て、1948年に東京大学法学部政治学科を卒業しました。この大学での教育を経て、同年商工省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。彼は基礎産業局長、産業政策局長を経て、1980年には通商産業事務次官に就任します。この期間、矢野は日本の産業政策を推進する重要な役割を果たしました。

政治家としての活動

1981年に事務次官を退官した後、矢野は1983年の第13回参議院議員通常選挙に自民党の公認を受けて立候補し、比例区から当選しました。彼は1期の間、参議院議員として活動しました。政治活動では、経済政策や産業振興などに重点を置き、特に中小企業の支援に尽力しました。しかし、1989年に行われた第15回通常選挙では再選を果たせず、政界から一時退くことになりました。

その後のキャリア

議員を辞した後、矢野は1990年から1996年にかけて東京中小企業投資育成社の社長を務めました。また、1991年には日本コンベンションセンターの社長に就任し、産業界での経験を生かして活動を続けました。彼の経歴は官僚と政治家としての両方の視点から、日本の経済や産業に大きな影響を及ぼしました。

受賞歴と著書

彼は1999年に春の叙勲で勲一等瑞宝章を受章しています。また、著作や監訳としても知られ、1982年には『新しい景気浮揚への方途』や『日本株式会社の反省』などを出版しました。さらに、チャルマーズ・ジョンソンとの共著による『通産省と日本の奇跡』もあります。

最後に

矢野俊比古は、官僚から政治家として、また中小企業支援の領域でさまざまな役割を果たしました。89歳で亡くなるまで、日本の経済政策と産業発展において重要な存在であり続けました。その生涯と業績は、今後も日本の政治や経済を考える上で欠かせないものとなるでしょう。

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