矢野酉雄

矢野 酉雄（やの とりお）の生涯と業績

矢野酉雄は1897年、福岡県三池郡上内村で生を受けた。父は矢野巽で、彼は教育と政治の道を歩むこととなる。初等教育を経て、福岡県立八女中学校に進学し、1917年に福岡師範学校を卒業。その後は中央大学法科や日本大学高等師範科でさらに学び、教育の分野でのキャリアを築き始める。

卒業後は、福岡県内の尋常小学校で教鞭を執った。その後、文部省教員検定試験に合格し中等教員免状を取得。教員としての活動は沖縄県や鹿児島県、そして福岡県の各学校で続き、着実に教育者としての地位を確立していく。

1933年、矢野は講談社に入社し、編集や評論の活動に従事し始める。1936年には生長の家に加わり、教育部長や編集部長、本部理事として責任ある役割を果たす。しかし1947年に生長の家を離れ、その後の政治活動に専念することとなる。

矢野は同年4月に行われた第1回参議院議員通常選挙で無所属として全国区から立候補し、当選を果たした。彼は緑風会に所属し、参議院の在外同胞引揚問題に関する特別委員を務め、また第3次吉田内閣で厚生政務次官に任命された。しかし政治を全うせず、1950年の選挙では再び立候補したものの落選してしまう。

その後、教育公論社を経営し、また矢野経済研究所の会長として教育や経済の分野での影響力を持ち続けた。彼の著作には『胎教と幼児教育』（1924年）や『日本を建設するもの』（1949年）などがあり、教育に対する深い思索や提言が見られる。

晩年の矢野は、1963年に66歳で亡くなった。彼の死後、勲四等旭日小綬章が追贈され、正七位から従五位に叙された。その生涯を通じて、教育者として、また政治家として、昭和日本の発展に寄与した矢野の業績は後世に残るものとなっている。

親族と記念出版

矢野には詩人である妻、矢野克子がいて、彼女は徳田球一の妹でもある。また、彼の生涯に関する伝記が『孤山矢野酉雄』として1964年に出版され、多くの人に彼の業績が伝えられている。

参考文献

矢野の歴史や影響力については様々な資料が存在し、人事興信所編の『人事興信録 第15版』や、さらには『現代人名情報事典』など多様な書籍にその情報が記載されている。これらの資料は、矢野酉雄の人生や業績を知るための重要な手掛かりとなる。

もう一度検索