知野公昭

知野 公昭

知野 公昭（ちの きみあき）は、1971年10月14日に千葉県君津郡袖ヶ浦町（現在の袖ケ浦市）で生を受けた、日本の元プロ野球選手である。右投げ右打ちの投手として、高校時代にその才能を開花させ、プロの世界へと進んだ。しかし、プロでは厳しい競争の壁に阻まれ、一軍公式戦のマウンドに立つことなくユニフォームを脱ぐこととなった。

幼少期から高校時代

千葉県に生まれ育った知野は、野球に打ち込む少年時代を過ごし、地元の強豪校である拓大紅陵高校に進学する。高校時代、彼は投手としてチームの主戦力を担い、類稀なるピッチングセンスを発揮した。特に高校3年生となった夏は、チームの柱として活躍。全国高等学校野球選手権大会出場を目指し、千葉県予選を勝ち進んでいく。決勝戦では、当時、後にプロ入りする押尾健一投手を擁する成東高校と対戦。緊迫した投手戦の末、拓大紅陵高校は惜しくも0対1で敗れ、甲子園出場は目前で叶わなかった。

しかし、この高校3年間で知野が残した足跡は鮮烈だった。通算47試合に登板し、28勝6敗という素晴らしい戦績を記録。さらに特筆すべきは、防御率0.84という驚異的な数字である。これは、高校球界において彼がどれだけ圧倒的なピッチングを披露していたかを示す明確な証拠であり、この活躍がプロ野球界からの注目を集めることとなった。

プロ入り

高校での輝かしい実績が認められ、知野 公昭は1989年秋に行われたプロ野球ドラフト会議において、横浜大洋ホエールズから6位指名を受けた。プロ野球選手としての道を歩むことになった知野は、球団との契約交渉を経て入団に合意。契約金は3000万円、年俸は360万円（金額はいずれも推定）と報じられ、期待の新戦力としてホエールズの一員となった。

プロでのキャリアと引退

プロの世界に足を踏み入れた知野は、そのポテンシャルを発揮すべく研鑽を積んだ。武器としたのは、最速140km/h台後半を計測する威力のあるストレートだった。しかし、プロの高い壁は予想以上に厚く、二軍では登板機会を得るものの、一軍公式戦への出場は叶わなかった。

プロでの生き残りをかけ、知野は様々な試みを行う。投球フォームの改良にも取り組み、一時はサイドスローへの転向も模索するなど、懸命に活路を見出そうとした。しかし、最後までその努力が実を結び、一軍のマウンドに立つことはなかった。入団から5年目を迎えた1994年シーズンを最後に、知野 公昭はプロ野球選手としての現役生活に幕を閉じた。プロ通算では、一軍公式戦への出場機会は一度もなかった。

プロ入り後の背番号は、入団から1992年までは「69」を背負い、1993年からは「42」に変更された。

短いプロキャリアではあったが、高校時代に千葉を代表する投手として一時代を築き、プロ野球選手という夢を掴んだ知野公昭。彼の野球人生は、アマチュア時代の輝きと、プロでの厳しくも真摯な挑戦の物語として記憶される。

詳細情報

年度別投手成績：一軍公式戦出場なし

背番号：
69 （1990年 - 1992年）
42 （1993年 - 1994年）

関連項目

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