矮星

矮星とは

矮星（わいせい、英語: dwarf star）は、天文学において用いられる用語で、いくつかの異なるタイプの天体を指し示します。最も広く使われる定義の一つは、恒星をその明るさ（光度）と表面温度によって分類する際に用いられる「光度階級」において、Vに分類される恒星を指します。これらの星は一般的に「主系列星」と呼ばれており、太陽もこの主系列星に属するG型矮星です。

また、矮星という言葉は、必ずしも光度階級Vであるかどうかに関わらず、単にサイズが非常に小さい恒星や、恒星に準じるほど小さい天体を指す場合にも用いられます。

主系列星としての矮星

光度階級Vに属する主系列星は、その中心部で水素原子核の核融合反応によってヘリウムを生成しており、恒星として最も安定した進化段階にあります。主系列星は表面温度やスペクトル型の違いによって細かく分類されます。

O型主系列星: 非常に高温で明るい、青みがかった色の星。質量が大きく寿命は短い。
B型主系列星: O型に次いで高温で明るい、青白色の星。
A型主系列星: シリウスのような白色の星。比較的寿命が短い。
F型主系列星: やや黄色みがかった白色の星。太陽より少し高温で質量が大きいものが多い。
G型主系列星: 太陽のような黄色い星。表面温度は約5,000～6,000℃。
K型主系列星（橙色矮星）: 橙色をした星。太陽より温度が低く、質量も小さい。寿命が比較的長い。
M型主系列星（赤色矮星）: 表面温度が低く、赤みがかった色の星。質量が最も小さく、主系列星の中では最も数が多く、寿命が極めて長い。光度も非常に低い。

これらの主系列星は、その質量に応じた一生をたどります。質量の大きなO型やB型星は寿命が短く、超新星爆発を起こすものもありますが、質量が小さいK型やM型星は非常に長い寿命を持ちます。

主系列星以外の矮星

矮星という言葉は、主系列星以外の、小さく暗い天体を指す場合にも使われます。これらは恒星の進化の最終段階であったり、恒星になる途中で止まった天体であったりします。

白色矮星: 太陽のような比較的質量の小さい恒星が、一生の終わりに外層を放出し、核融合を終えた中心核が残ったものです。地球程度のサイズに恒星の質量の半分以上が圧縮されており、非常に高密度です。当初は高温ですが、エネルギー源がないため徐々に冷えていきます。

褐色矮星: 質量が木星の数倍から太陽の約80倍程度の天体で、中心部で水素の核融合反応を持続的に起こすほどの質量がありません。恒星と惑星の中間的な存在と考えられています。リチウムや重水素などの軽元素の核融合は起こる場合がありますが、恒星のような強い光を放つことはありません。

黒色矮星: 白色矮星が宇宙年齢に匹敵するような長い時間をかけて完全に冷え切り、光や熱をほとんど放出しない状態になった仮想上の天体です。宇宙の年齢が有限であるため、現時点ではまだ存在しないと考えられています。

* 青色矮星: 極めて質量の小さい赤色矮星が、理論上、非常に長い時間をかけて水素を燃焼し続け、進化の末期に表面温度が上昇して青色になると仮説されている段階です。赤色矮星の寿命は宇宙年齢よりもはるかに長いため、これもまだ観測されていない hypothetical な天体です。

このように、「矮星」という言葉は、光度階級Vの主系列星全般を指す場合と、主系列星以外の小さく暗い天体（白色矮星や褐色矮星など）を指す場合があり、文脈によって意味合いが異なります。宇宙の様々な天体を含んでいます。

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